第1話
スペースコロニー<ノーラ>。連邦軍アリンストン基地ではAGEシステムの実験が繰り返されていた。大軍縮以来の連邦軍は実権に乏しく、また指揮系統も混乱の極みにあった。
ブルーザー司令官が半ば独断専行で進めていた実験からAGEシステムは新型MSの手足までを生み出していたが、未だ完成させるには至っていない。<オーヴァン>コロニーの生き残り、フリット少年がもたらしたAGEデバイスには大軍縮以来失われたMSの設計・技術が記録されているはずなのだが。
ブルーザーやグルーデックらの懸念を他所に、フリットは活発な少年として日々を暮らしていた。
しかしそこに、UEが現れる。フリットに危機が迫るとAGEデバイスが輝き、AGEシステムが突如フル稼働を始めた。
基地に逃げ込んだフリットの脳裏に、生み出されたMSの名が蘇る。「…ガンダム!」
完成したガンダムはフリットの呼びかけに答えるかのように起動する。制止するバルガスを振り切ってフリットはガンダムへと乗り込み、UEをビームサーベルで倒す。
第2話
UEは<ノーラ>そのものを攻撃した。コロニーに崩壊の危機が迫る。
新造戦艦ディーヴァは出港のかまえを見せるが、ブルーザーはグルーデックに指示、強引にこれを接収する。連邦軍の腐敗に憤りを隠せないグルーデック。ガンダムをもってグルーデックら接収部隊を支援したフリットは、彼の瞳に宿る暗い影を感じる。
ブルーザーは市民をコロニーコアへと避難させ、これをディーヴァで牽引して脱出させようと試みる。
しかしそこに新たなUEが。フリットの駆るガンダムは敵を倒すが、被弾したコロニーは歪みを増し、コロニーコアは外壁にひっかかってしまう。
絶体絶命のピンチにゆがむフリット少年の顔。しかしその時、ディーヴァに運び込まれていたAGEシステムが再び稼働する。フリットはAGEデバイスの表示から、それがタイタスと呼ばれるパワーアップユニットであると知った。
バルガスにタイタスパーツの射出を依頼し、ガンダムは空中でタイタスへと換装する。その恐るべき力でコロニーコアを押し出し、多数の市民を救うタイタス。
その勇姿を満足げに見上げながら、ブルーザーはコロニーとともに虚空へと散華する。
第3話
市民をコロニー<ファーデーン>まで運ぶディーヴァ。
この地はザラム派とエイバ派に割れて内部抗争が続いており、連邦軍から見れば「反逆者」であるグルーデックらにとって好都合だったのだ。
だが、小規模な連邦軍治安部隊を率いるウルフが彼らの前に立ちはだかる。大軍縮以来、MSはレース機となって久しいが、そのレースでウルフは勇名を馳せていた。ラーガンからその話を聞いたフリットは、ウルフに共闘を申し出る。
しかしフリットを子供と見くびったウルフは条件を出した。模擬戦でフリットが勝てばディーヴァでともに戦う。だがもし自らが勝てば、彼らがディーヴァとガンダムを接収する。
意外な事にグルーデックはその賭に応じる。戸惑うバルガスらに、グルーデックは自らの構想を語る。彼はUEの<ノア>襲撃から敵の拠点を推測、移動前にこれをなんとしても叩かねばならぬと考えていたのだ。千載一遇のチャンスを活かすべく、彼はすべてをフリットに託す。
模擬戦を繰り広げるフリットとウルフ。しかしそこに、高機動型のUEが現れた。ビームサーベルでは対抗できず、窮地に陥る二人。その時AGEデバイスが輝き、AGEシステムはドッズライフルを生み出した。
射出されたドッズライフルをキャッチせんとするフリットを支援するウルフ。ドッズライフルは見事に敵を打ち砕き、ウルフは自らディーヴァへの協力を申し出る。
第4話
ウルフらの先導を受けて<ファーデーン>へと入港するディーヴァ。
ザラム派の首魁、ドン・ボヤージに弾薬などの提供を求めるグルーデックは、代償として連邦軍高官と軍需産業との癒着に関する情報を示す。連邦への忠誠はないのかと咎めるドン・ボヤージに、グルーデックは復讐のためには手段を選ばないと語る。
その一方で、ウルフらはエウバ派のリーダーであるラクト・エルファメルに接触する。<ノア>からの避難民を他のコロニーへと分散疎開させるための船を手配する必要があったのだ。コロニーコアそのものと引き替えに承諾するラクト・エルファメル。だが、そこへザラム派との衝突の知らせが入る。
ウルフと行動を共にしていたフリットもまたその衝突の現場へと向かうが、そこで謎めいた少女に出会う。ユリン・ルシェルと名乗る少女に、なぜかAGEデバイスが反応する。
鉢合わせするエウバ派とザラム派。しかしそこにいたのは、両派のMSではなくUEだった。UEの襲撃を、互いに敵対勢力のMSと誤解したのだった。
ユリンの導きに従い、AGEデバイスに叫ぶフリット。「来い、ガンダム!」
唐突にディーヴァから飛び出したガンダムはあたかも彼の半身であるかのようにフリットの元に現れた。
コロニー内でドッズライフルが使えず、苦戦するフリットとウルフ。フリットは機転をきかせてタイタスへと換装、UEを後退せしめる。
辛くも勝利したフリットはユリンを探すが、その姿はすでになかった。
第5話
ウルフは自らの愛機ジェノアスカスタムでドッズライフルが使用できるよう、改造を施させる。
<ノア>避難民の疎開が始まり、ディーヴァへの武器搬入も進む。
あたかも戦争のようなその情景に違和感を示すエミリー。その横顔には、ユリンに心引かれるフリットへの嫉妬も感じられる。
ユリンを探し、<ファーデーン>のスラム街へと迷い込むフリット。そこはコロニー外郭で、エウバ派とザラム派が抗争を繰り返すごとに避難を繰り返し続けねばならぬ人々がいた。
その中、フリットは不思議な少年と出会う。デシル・ガレットと名乗る少年に、彼はなぜかユリンと似たものを感じた。
些細な衝突から、エウバ派とザラム派の対立がヒートアップする。両派はとっておきのMSまで持ち出してきた。ここが見せ場とばかりにウルフはジェノアカスタムを出撃させる。しかし意外な事に、スラムから現れた工作用MSが両派のMSを撃退する。
父イワークが活躍した、と喜ぶリリア。だがコクピットから現れたのは、デシル少年だった。とても子供とは思えぬデシルの操縦に、フリットは驚愕する。
「面目を潰された」と自らの専用機を持ち出すラクト・エルファメルとドン・ボヤージ。しかしそこに、UEの高機動MSが現れる。
AGEデバイスでガンダムを呼ぶフリット。タイタスのパワーでは敵のスピードに追いつけず、ドッズライフルもコロニー内では使えない。
しかしスラムを守るべく苦闘するフリットやウルフの姿に、いつの間にかエウバ派もザラム派も力をあわせてUEに立ち向かう。
見事にUEを撃破するガンダムを遠方より眺め、デシルは不気味な笑みを浮かべるのだった。
続き