中日新聞より。
大統領は、イラクで多数派を占め、周辺アラブ諸国にも居住するシーア派住民が「自国よりもイランに忠誠心を抱いている」と指摘し、イランの影響力拡大に対する警戒心を表明した。
中近東で最もイスラエルやアメリカとの共存を重視しているエジプトがこのような意見を示したというのは興味深い。
シーア派とペルシャ系を「イランへの忠誠心」という言葉で結びつけ、自国を含めアラブ系諸国とイランとの間に境界線を引こうと試みているのだろうか。
中近東イスラム世界では、アイデンティティにおいて「部族」「国家」「民族」「信仰」といった要素が複雑に重ね合わせられており、状況によってそのどれを主とするかが異なると聞く。
大統領の発言には、おそらく「国家」を中心概念に持って行きたいとの考えが含まれているのだろう。それは西欧諸国との協調において有利だが、国内およびアラブ民族、イスラームとの関係においては不利だ。
イランのパーレビみたいな末路とならねば良いのだが。
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