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2004-09-05

コメント

盧在賢

中国共産党が日本の帝国主義と国民党をはね除けて広大な大陸を掌握し1949年新政権を樹立する際、国名を決める問題で頭を悩ませたそうだ。

共産主義の理念を具現する人民の国家という意味を盛り込まなければならないが、漢字でできた近代的な概念語の大半が日本製だったからだ。特別な代案もなかったために、結局自尊心を捨てて「中華人民共和国」と定めたわけだ。

「中華」は中国製だが、「人民(people)」と「共和国(republic)」は日本製単語だ。明治維新(1868年)を前後とし、西欧の文物と思想を率先して輸入した日本の知識人らの血のにじむような努力が、漢字宗主国の国名にまでに影響を及ぼしたわけだ。

我々が日常的に使っている漢字語のなかには、開化時代、日本が作った用語が数え切れないほど多い。文化、文明、思想、法律、経済、資本、階級、分配、宗教、哲学、理性、感性、意識、主観、客観、科学、物理、化学、分子、原子、質量、固体、時間、空間、理論、文学、美術、喜劇、悲劇、社会主義、共産主義…。

明治時代の思想家である福沢諭吉は、こうした造語に貢献した代表的な人物だ。speech→演説、debate→討論、copyright→版権、などの訳語が福沢の作品だ。

韓国人に耳慣れた単語である「民族」も、正してみると宮崎という日本人が1880年代にフランス語「Assemblee Nationale(フランス下院)」を「民族会議」と翻訳したところから始まったものだという説が有力だ。「民族」は1890年代に入って初めて韓国語に編入された。

100年以上経った今、少なくない学者らは、日本がつくった概念語を翻訳過程の苦悩と試行錯誤を省略し、結果物だけを受け入れた韓国社会の「知的ぜい弱性」を新たに指摘している。例えば「society」の日本製訳語「社会」を使う韓国人は、単語本来の意味をきちんと消化できないということである。

いずれにしても、すでに受け入れたものは仕方ない。しかし、今からでも訳語であれ造語であれ、なるべく正確かつ美しくする努力をすべきではなかろうか。

政界で「特権層の同盟」「極右同盟」「殺民政権」といった険悪な造語を乱発したり、「サクラ(注:野党議員が与党議員と裏で結託するという意味の俗語)」のように日本色の濃い以前の政界用語まで使っているのを見る限り、韓国人は依然として「造語後進国」と言わざるを得ない。

盧在賢(ノ・ジェヒョン)政治部次長

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