Sankei Web「『攻撃受ける可能性あった』 原潜追尾の艦長ら会見」より。
「水深100メートル前後の浅い海を、時速約20キロの速い速度で針路を変えながら航行していた。この海域を熟知していた」と原潜の印象を語った。
これまで何度も日本が抗議しているにも関わらず、中国による日本近海での海洋調査は繰り返されているからなあ。
海上自衛隊の対潜水艦戦能力の高さについては今回の件でも実証された訳だが、戦いのイニシアティブはすでに中国が手中におさめていると考えるべきではないか。
イニシアティブ回復のためには対潜能力の維持とあわせ、潜水艦の活動拠点への打撃力を獲得する必要があろう。
本来なら、こうなる前に中国による海洋調査を断固拒絶すべきだったんだろうが…。
スレ違いで申し訳ありませんが、中国海軍潜水艦部隊の戦力についてちゃんと考えたことがなかったので、やっつけ&ぶっつけでちょっとやってみましょう。
まず中国潜水艦部隊の現勢は、
SSBN×1(夏型)
SSN×5(漢型)
SS×60(キロ型、明型、宋型、ロメオ型)
計66隻
その推定される配置は、
北海艦隊 4個潜水戦隊32隻(夏型1、漢型5、明型11、ロメオ型15)
東海艦隊 2個潜水戦隊18隻(キロ型4、明型4、ロメオ型10)
南海艦隊 1個潜水戦隊14隻(明型4、ロメオ型10)
以上、攻撃的戦力とその支援施設は北海艦隊に集中し、東海艦隊がそれに次ぐ攻撃力を有していることが分かる。
中国海軍の艦艇はカテゴリー1~3に分類されているが、旧ソ連のやり方を見る限りでは、局地戦(台湾、尖閣、朝鮮等)のケースではカテゴリー3部隊はほとんどものの役に立たないだろう。
仮に各カテゴリーの数的比率を1:1:1と仮定すると(ちなみに旧ソ連陸軍では2.5:3.0:4.5)、戦時潜水艦勢力は33%減の44隻に。
さらに、整備と改装で行動不能の艦を20%とすると、35隻に。
SSBNとその直護艦(漢型ないしキロ型)各1隻を差し引いて、33隻。
主要海軍基地と沿海防御任務(明型とロメオ型)の20隻を差し引いて、13隻。
この13隻(目安として漢型3、キロ型と宋型5、明型5)が、
アメリカ空母打撃群(2~6個)襲撃
両用部隊支援
日米台の後方連絡線破壊
日米台の通商路破壊
等の任務に向けられることになる。
漢型は著しく陳腐化しており、明型は外洋作戦能力を持たない。一部で伝えられているように宋型が深刻な機械的欠陥を抱えているのであるとすれば、真に水中の脅威となるのは2隻ないし3隻のロシア製キロ型潜水艦のみ。
投稿情報: ばべる | 2004-11-23 09:57
ぶっつけ勘定の訂正です。すみません。
総数は67隻。
北海艦隊の戦力は
5北海艦隊 4個潜水戦隊35隻(夏型1、漢型5、宋型3、明型11、ロメオ型15)
修正値は67→45→36→34となりますが、沿海防御戦力は控えめな数字なので、結論は13隻で変わらずとしておきます。
投稿情報: ばべる | 2004-11-23 10:20