日本は海洋国家たり続けなければ、その国勢を維持・伸長させられない。
これは地理的特性に起因しており、宿命である。
アメリカは歴史上最大の海洋国家である。
日本が海洋国家たり続けるためには、アメリカとの協調が必須となる。
そのアメリカは現在、文化的多様性を失いつつある。彼らは独善的正義感に犯され、周囲をすべて「敵」としかねない。
一方、ランドパワーたる中国の勢いは著しい。
彼らの圧力を一身に受けるであろう日本はと言えば、高齢化と人口縮小によって国力の低下は免れられない。
このような逆境で、日本はいかにあるべきか。
日本は古来さまざまな文化を受け入れてきた。その受け入れ方ははなはだ無原則で、無節操である。そして受けいれた文化を無限定に適用することによって新たな価値、新たな文化を生み出してきた。
あらゆる文化を「カッコイイ」「カワイイ」「セクシャル」の次元に落とし込んでしまう日本のスタイルは、ある意味低俗である。しかし同時に、多くの、そして多様な人々が受け入れてくれるスタイルである。
窮地にある今、日本はそのスタイルを十二分に活かすべきである。
日本はアメリカに従属し、その文化・価値観を受容しつつそれを変質させる。変質されたそれはアメリカに支配される国々、アメリカに敵対する国々、そしてアメリカそのものに受け入れられていく。
それは、アメリカによる世界支配を支援する行為かもしれない。しかし同時に、共通する価値観をあまねき世界に広げる行為でもある。世界の問題すべてが、それで解決する訳ではない。しかし、解決の糸口とはなりえる。
もし日本がそんな役割を果たせるなら、私はうれしい。
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