FV107シミター偵察装甲車は、FV101スコーピオンのファミリー。装甲にはアルミニウムが採用され、軽量と耐弾性を併せ持つ(もっとも、火災など高温状況下での強度低下が後に問題視されるようになった)。
76.2mm砲を持つスコーピオンと異なり、シミターは30mmラーデン砲を装備する。対戦車戦闘は主力戦車などに任せ、自身では軽装甲車両などに対処するという分担だ。
エンジンはジャガーの民生用がベースとされ、コスト低減に役立っている。スコーピオンファミリーには他にも戦車駆逐車や観測車などがあり、全体としての維持管理を容易としている。
コンパクトで比較的安価なことから、スコーピオンファミリーは14カ国で採用された。昨今はRPG7などの歩兵携帯対戦車火器が広く普及しており、アルミ装甲であるシミターらの価値は低下している。だが、遠隔地への輸送に適したサイズと重量は、ある意味極めて今日的だ。
アメリカは最近FCS(Future Combat Systems)の名の下に新たな兵器体系を構築しようとしているが、その内のAFVについてはシミターやスコーピオンのように徹底したファミリー化が図られている。その実装については大きく異なるが、開発思想においては通底する部分があるのではないかと思えてならない。
私の身体の実装も巷のスポーツマンらとははなはだ異なるが、同じ考えに基づいて鍛えることが大切だよなあ、ってことで腹筋プログラム。
こっちの脂身装甲はなかなか重量が低減されないねー。
アルミ合金が責められるのはどうでしょうか。
最近のAFV、例えばウォーリアやM2/M3、M8、BMP-3も依然として車体や装甲がアルミでできています。
そもそもRPG-7の均質圧延装甲貫徹力は300ミリ以上ですから、装甲の材質に関係なく、当たればおしまいです。
また、フォークランド戦争でフリゲートのアルミ合金製上構が溶け崩れて戦闘に支障を来たした場合と違って、小さなAFVの場合はアルミ製車体が溶けるような事態では人間や弾薬がもう先にやられてしまっていると思われます。
投稿情報: ばべる | 2007-05-31 08:06
AFVについては一家言を持つドイツが、ウィーゼルなどにアルミ装甲を採用していないのは、やはりなんらかの理由があると思われるのですが、いかがでしょう。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2007-05-31 17:46
確かに。ドイツ人だけは頑なにアルミの使用を拒否していますね。あるいは、彼らはアルミの「熱に弱い」特性を嫌っているのかも知れませんが、他にすぐに思いつく鋼に対するアルミの不利な点を挙げてみると…
1:緊急時、有事の際の資源確保の困難
2:値段
アルミよりも高くつくチタン合金や特殊鋼の装甲は、このクラスの軽AFVには無意味で不必要ですし。
M2を実弾で破壊する何年か前の実験の画像は有名ですが、その頃から「アルミ装甲はHEATに溶かされてしまう」という批判が広く流布されているようです。しかし、これがどうにもよく分かりません。
HEATは熱エネルギー兵器などではなく、APFSDSと同じ運動エネルギー兵器です。またHEATが高熱を発するというのであれば、弾着したAPFSDSも同じです(純アルミの融点は約650度ですが、APFSDSの燃え尽きる弾芯のウランの発火点は約1200度です)。
どうも過去のどこかで話の方向がずれたような??
投稿情報: ばべる | 2007-05-31 19:38
>広く流布
そうですね。私も誤った認識にとらわれていました。
まったくの推測ですが、M113で車外後部に備えた燃料タンクが燃えた際に、トラブルがあったのではないでしょうか。車内での火災を避けるために改良したのに、逆にチープキルとなりかねないようなトラブルが。
それがどこかで、熱→HEAT弾と混同されてしまった…なんてこともありそうな気がします。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2007-05-31 20:58
HEATという名前が原因ではないかと(w
あと、AFVのアルミ合金材が熱への弱さ、脆弱さと結びつけて考えられるようになったのは、ヴェトナムに鳴り物入りでデビューしたハイテク軽戦車M551が次々簡単に撃破されたことから始まっているのではないかと考えます。
これまたアルミ云々より、軽戦車の宿命的な脆さの方に原因があると思うのですが…
投稿情報: ばべる | 2007-06-03 04:09