DD-123<しらゆき>は<はつゆき>型の2番艦。いわゆる88艦隊構想のワークホースである。
世間一般では、<はつゆき>型の評価はあまり芳しくないようだ。過小な排水量の船体に強引に重武装を積み込んだ、ダメコンや発展余地に乏しく、見苦しい艦と見なす人の意見はけっこう聞く。
だがそれでも、私にとって<はつゆき>型は海上自衛隊護衛艦の基準点であり続けている。
<はつゆき>型は海上自衛隊初のオールガスタービン艦(COGOG推進)で、個艦防空能力と対水上艦戦闘力、そして対潜ヘリ運用能力を併せ持つ。ことに対潜能力には秀で、比肩し得るのは米軍艦艇ぐらいだったろう。
たしかにそのガスタービン用煙突はやたらと太く、シーキングを収容できる格納庫はアンバランスなほど大きい。だが当時の私にとってその姿は、大国ソ連と対峙する者が示す、あらがいそのもののように思えた。
そんな見方は所詮付け焼き刃な軍ヲタのものかもしれない。だがそれでも、その印象が未だ私の胸に刻まれていることは告白すべきだろう。
<はつゆき>型は3番艦以降CIWSを搭載し、さらに8番艦以降は上部構造物を軽合金から鋼製に置き換えている。その意味で、<しらゆき>は<はつゆき>型の限界を体現していたとも言えるだろう。
それと比べれば、「限界なんてないんだ!」とビリーに言われる人体なんてなんぼかマシだよなー、などと思いつつ基本プログラム(ビリーバンド付き)。
少しは痩せて人様なみのバランスに戻ってきたような気がするけど、案外他人から見れば<しらゆき>同様ムリっぽいかもしれないなー。
「ハープーン」等で部隊運用をやってみると、ゆき型やペリー級のような小型艦の弱点が如実に明らかになります。
特に小規模な船団護衛や対潜掃討のような長丁場では、搭載ヘリの機数と支援能力の不足がボディブローのように効いてきます。怪しげな探知があったり、ちょっとした交戦があったりすると、苦労して組み立てていたローテーションはたちまち滅茶苦茶に。
敵の指揮官が有能で、衛星を活用した連携の取れた戦術を駆使してきた場合、ジュリエット型やロメオ型のような古い潜水艦相手でも苦戦を免れません。
部隊に1隻は大型艦が欲しいですね。
投稿情報: ばべる | 2007-06-26 03:20
>大型艦
スプルーアンス級ぐらいならばわりとマシですかね?
海自はDDHやDEを早めにあきらめて、大小のDDを建造したほうが良かった…のかも。
まあ、艦艇建造には占い師の才能が必要とも言いますが。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2007-06-26 20:37
上は間違い。
×ロメオ型
○タンゴ型
さすがにロメオ相手なら…
タンゴ型は侮れない艦ですね。
ちょっと旧海軍の巡潜を思い出させる良い艦です。
>スプルーアンス級
経空脅威に脆いことを除けば、これと言った欠点のない、いかにもアメリカらしい余裕たっぷりに設計された優れた艦だと思います。
>大小のDDを建造したほうが
結局、空母+大型DDという構成がもっともコスト的に有利ではないかと。
>DE
沿海戦用の艦艇は国ごとの事情もあって一概には言いにくいですが、21世紀には高格闘戦能力が最先端になるだなんて占い師でなければ予見できません(w
投稿情報: ばべる | 2007-06-26 21:36