BAC167<ストライクマスター>はイギリスが開発・生産したジェット軽攻撃機。
実はこの軽攻撃機、元をたどるとレシプロ練習機に行き着く。
第二次大戦終結後、急速に進むジェット化の流れの中、英空軍はジェット練習機に移行する前の段階に、より高い性能の基本練習機で訓練すべきだと考えた。そこで採用されたのが、ハンティング・パーシバル社が開発した<プロボスト>だ。
空冷星形エンジンで尾輪式の固定脚、大きく飛び出した並列式で枠の多いキャノピー。英軍機らしい、スマートさと無骨さが混ぜあわされた練習機だった。なおこの段階で、主翼には固定機銃を有し、翼下に爆弾も搭載できた。どうも英空軍は、レシプロ練習機の段階である程度の射撃・爆撃スキルを身につけさせたかったようだ。
だが、ジェット化の進展は予想以上に早かった。1950年に<プロボスト>が初飛行したばかりだというのに、1953年に英空軍はこのジェット化をハンティング・パーシバル社に発注している。主翼と尾翼(と伝えられているが、たぶんコクピットまわりも)を<プロボスト>から流用し、前輪式の引き込み脚を持つジェット練習機<ジェット・プロボスト>が誕生した。
ブリストル・シドレー・バイパー・エンジンをコクピット後方に置き、両主翼付け根から吸気し、長く水平尾翼の先までのばしたダクトから噴射する設計だった。
当初は試験的に<プロボスト>と併用され、後にエンジンやキャノピーを改良したT3型が英空軍に正式採用されている。こちらは1959年から訓練コースで用いられた。
1967年、T5型(与圧コクピット、主翼燃料タンクのインテグラル化などが施された改良型)をベースとして開発され、初飛行したのが軽攻撃機<ストライクマスター>だった。英空軍では採用されなかったが、中東やアフリカ、ニュージーランドなどに輸出され、そこそこの成功作となっている。出自が出自ゆえに多少古くさかったろうが、それゆえのシンプルさを魅力と感じた国もあったということだろう。
多少古くさいボディを強化しますよ、ってことで今日は基本プログラム(ビリーバンド使用)。まあ、多少強化されても魅力はでてこないと思いますがね、はは…。
それはそれとして、ワシが買った前売り券の整理番号は16。一度にエクササイズするのは約1000人とのアナウンス。仮に正方形に近く並べようとすると、30×33ぐらい。するってーと16番のワシは…まさか最前列中央真っ正面?…や、やばい…。
SAMが未発達な時代には、このような練習機兼COIN機的な機体が世界中で流行しましたね。
フォークランドでブカラ隊が潰滅したのが、正規戦にこの種の機体が参加したたぶん最後の戦いでしょう。
一部の途上国ではまだ使われているでしょうが、ゲリラが携行SAMを持っていたらやはり作戦は自殺行為に。
投稿情報: ばべる | 2007-09-02 16:10