DDG-172<しまかぜ>は海上自衛隊のミサイル護衛艦。<はたかぜ>型の2番艦にあたる。
<はたかぜ>型は海上自衛隊ではじめてガスタービン推進(COGAG)としたミサイル護衛艦である。
また、それまでのミサイル護衛艦と異なりSAM発射機を艦首側に設けている。これについては「他のミサイル護衛艦で後背を守り、<はたかぜ>型を前衛とする」という説明があったかと記憶している。だが実際には、艦尾へのヘリ離発着を容易とするのが主目的だったのではないか。そして、その妙な説明は<はたかぜ>型を4隻建造するための名目だったのではないか。
さて、<しまかぜ>の就役をもって海上自衛隊は計6隻のミサイル護衛艦を擁することになった。ヘリコプター護衛艦×1・ミサイル護衛艦×2・汎用護衛艦×5、そしてそれらに搭載されるヘリ×8からなる88艦隊3個を、ようやくに編成できるようになった訳だ。
だがこの時期、アメリカはイージスシステムを搭載したミサイル駆逐艦<アーレイ・バーク>級を出現させる。それ以前は<タイコンデロガ>級ミサイル巡洋艦でなければ搭載できなかったイージスが、手の届くところまで降りてきたのだ。
海上自衛隊は<はたかぜ>級3番艦の建造計画を取り下げ、イージス艦<こんごう>型の建造にとりかかる。そして冷戦は終結し、北朝鮮の弾道弾が最大の脅威として喧伝されるようになった。おそらく当分は、<しまかぜ>の直系たる艦を建造することはあるまい。
<しまかぜ>、そして<はたかぜ>は「最強の非イージス防空艦」と評される。だがそれは「最強の準弩級艦」みたいなものだ。その価値は決して失われてはいないが、誰も讃えはしない。その規模に似合わぬ短命に終わるであろう<しまかぜ>を思うと、せつなさを禁じ得ない。
んなことより、なかなかおちない脇腹の脂肪にこそせつなく感じろよ、と脳内ツッコミ。てな訳で今日は腹筋プログラム。ちょいと身体はシンドイが、まずは続けますよ。
アメリカの993級DDGで証明されたように、旧式で大出力のアレイ・レーダーにはイージスにはない優れた特性がありますから、小規模な改装と新しい戦術が与えられればまだまだ使える艦だとは思うのですが、MDに膨大な予算を食われている現状ではありそうにない事ですね。
もったいないですが。
投稿情報: ばべる | 2007-09-12 06:19