フォッケウルフFw190はドイツの戦闘機。第二次世界大戦における最良の戦闘機の一つだ。
1600馬力(後に1700馬力台)の星形空冷エンジンと、直線的で引き締まった機体の組み合わせは、鍛え上がられた軍馬を想起させる。シンプルだが実用性と発展性に富む設計もあり、戦闘爆撃機や液冷の高々度戦闘機にも発展した。
だがこの名機、一つ間違えば迷機になりかねなかった。試作第1号機には、他に類のない独創的な(あるいは奇妙な)プロペラスピナーが採用されていたのだ。
空冷星形エンジンは液冷エンジンと比べるとどうしても空気抵抗が大きくなりがちだ。その欠点を低減させるための試みとして、Fw190試作第1号機のスピナーは「ダグデッドスピナー」となっていた。これは、エンジンカウリングとなめらかにつながる環状のスピナーだ。輪となっているスピナーの中央は中空であり、冷却空気はここからエンジンルームへと導入される。まるで新谷センセか松本センセが考えたかのようなデザインだ。
当然のように冷却空気の不足に悩まされ、今日知られる一般的なスピナーに改められている。それにしても、ダグデッドスピナーとはどんな構造だったのだろう。プロペラピッチの変化させるギアはどのように組み込まれていたのだろうか。また、プロペラブレードが短くなるという欠点をどうカバーするつもりだったのだろうか。やはりドイツ人のトンカチ頭には、私とは異質の脳髄が詰まっているにちがいない。
欠点を補おうとして無理をしてもやっぱりムリだよね、と思いつつ今日は腹筋プログラム。無理せず、自分のペースで、なるべく余裕をもって。
肉抜きをしたガシャポンの玉の半分のような形で、内部には10枚ブレードの強制冷却ファン。
先端が急速に絞られているので、ブレードの実効長さへの影響はほとんどなかったと思われます。容積に余裕があるので可変ピッチ機構の収容も特に問題なし。
大馬力空冷エンジンへの不安から産まれたアイディアですが、ダクテッド・ファンの冷却効率は当然ながら低く、大馬力ゆえに処女飛行時から過熱を起こして排気が操縦席に流れ込むトラブルが生じ、結局通常タイプのスピナに換装されてしまいました。
新しい潜水艦にはよく似たダクテッド推進器を搭載しているクラスが幾つかありますが、こちらは空気抵抗ではなくキャビテーションと雑音を抑えるのが目的ですね。
投稿情報: ばべる | 2007-10-13 23:15