DFS194はドイツの実験機。1938年にアレクサンダー・リピッシュ博士が製作したレシプロ無尾翼機DFS39をベースとし、そこにヴァルターHWK-R1ロケット・モーターを搭載した。
リピッシュ博士というと「とにかく三角形!」ってイメージが強いのだが、太く短い胴体はむしろマンボウのようだ。キャノピーは枠が多く、主翼は前縁に2段の後退角が与えられていた。このため、なんとなくイギリス機みたいな印象がある。
HWK-R1の推力はわずか400kgだったが、テストでは550km/hを記録している。リピッシュ博士らはこのころすでにメッサーシュミット社に入っており、同社はドイツ空軍からDFS194の発展試作を受注した。後のメッサーシュミットMe163である。DFS194と比べると全体のサイズはほぼ同じながら、Me163には全面的なリファインがなされている。
実用兵器としてのMe163が失敗だったのは衆目の一致するところだろうが、技術的には大きな跳躍だった。その跳躍における踏切の一歩が、DFS194だったと言えよう。
踏切の段階で、跳躍の半ばは決まったようなものだ。そこには成功も、あるいは失敗もすでに埋め込まれている。だが、それを見極められる者は少ない。それでも、いや、だからこそ懸命に踏み切るしかないわけだ。などと思いつつ、今日も最終プログラム(ビリーバンド使用)。
たとえその後がどうであろうと、まあやるしかないわな。
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