M270はアメリカの227mm多連装ロケット・システムMLRS。いわゆる自走多連装ロケットである。
自走多連装ロケットと言えば旧ソ連のカチューシャ砲が有名だ。トラックと単純な構造のロケット砲を組み合わせたカチューシャ砲は、ナチスドイツとの戦いで猛威をふるった。その勇名は今日まで轟き、ロシア製自走多連装ロケットの代名詞としてすら用いられる。
さてMLRSだが、同じ自走多連装ロケットながら毛色はかなり違う。車体はM2/M3<ブラッドレイ>歩兵戦闘車のコンポーネントを流用しており、小火器やNBCから乗員を防護する装甲キャビンを有する。キャビンにはカチューシャ砲よりはるかに高度なFCSを内蔵している。そして、車体後部のランチャーに収められるロケット弾の射程は並の自走砲をしのぎ、しかもいくつかの強力な弾頭が用意されている。
最も有名なロケット弾は、644個もの子爆弾をばらまくM26だろう。湾岸戦争においては「鋼鉄の雨」としてイラク軍に恐れられた。
同じ種類、同じ系統であっても性質やレベルが大きく異なるということはあるものだ。同じようにエクササイズしているつもりでも、ビリーやその他のインストラクターの皆さんと、へなへなな私のそれとではまったく異なる。たぶん、M270と初代カチューシャ砲以上の開きがあるだろう。
だが、だからといってあきらめていては永久に追いつけない。たとえ非力でも、不備が多くても、少しずつ続けたい。
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