ユンカースJu287はドイツの試作ジェット爆撃機。
ドイツの試作ジェット機といえば奇天烈な機体の多さで知られるが、Ju287はその中でも群を抜く異様で有名だ。
高速なジェット機に適した形状についてはまだ誰も正解を持っておらず、試行錯誤があちこちで繰り広げられていた。たとえば主翼にしても、角度をつければ衝撃波の発生を遅らせて抵抗を軽減できるところまでしかわかっていなかった。つまりまだ、今日一般的な後退翼といまだにアバンギャルドな存在である前進翼のいずれを選ぶべきかさえまだ定見がない時代だったのだ。そしてユンカースは、悩んだ末に後者を選んだのだ。
Ju287は前進翼というだけでなく、その4発のエンジン配置も奇妙だった。うち2発は一つずつポッドにおさめて主翼下に配置、というのはまだわかる。だが、残る2発は機種両側に一つずつ装備されていた。どう見ても機体が高温のジェット排気で焼けそうだ。またその騒音もすさまじかったようで、2号機以降ではエンジンをクラスター化して主翼下に装備するよう改められている。もっとも、その形状もまるで人差し指と中指、それに薬指をたばねたような特異なそれだったのだが。
さすがのドイツといえど戦争末期だったこともあり、機体の構成部品のうち主翼とエンジン以外はほとんど他の航空機から流用されている。最も妙なところでは、その前脚には撃墜した米軍のB-24<リベレーター>の主脚が使われている。
これほどまでにユニークな機体だったが、例によって敗戦により実用化されぬままに終わった。だがソ連軍によって接収され、その後のジェット爆撃機開発における参考とされたという。
それにしても、末期戦の混乱にもかかわらずまがりなりにも形にし、ちゃんと飛行させたというのはたいしたものだ。悪条件下でも模索し続け、きちんと結果を出したというのは見習いたいものである。
などと思いつつ、今日は脂肪燃焼プログラム。まあ、私も人としては奇天烈さで群を抜いているしなあ。
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