フェアチャイルド・ドルニエDo328はドイツの汎用コミューター機。
ターボプロップ双発で、抵抗の少ないTNT翼を高翼式に備えている。第3世代リージョナル機としては高速で、静粛性に富み座席も広い。複合材が多用されており、6枚羽根のプロペラも同素材だ。
このようにいいとこづくめに見えるがDo328だが、コミューターもジェット化の時代だった。エンブラエルやボンバルディアの小型ジェット機が着々と市場を広げていき、Do328の生産は111機にとどまった。
ジェット化の波には会社も気付いており、同機のジェット化が急ピッチで進められた。機体構造はほぼそのままでターボファンPW306Bエンジンに換装したそれは、Do328JETと名付けられた。
しかし折悪しく9.11テロの影響で航空機市場は冷え込み、ついにフェアチャイルド・ドルニエは倒産した。Do328JETはAVクラフト・ドルニエに生産が引き継がれ、87機がスカイウエスト航空などに納入されている。だが、今後生産が再開される目処はなく、728JETなど他の計画も消滅した。
ドルニエの技術はたしかなもので、作り出した機体は他者のそれに引けを取らなかった。だが、商品としては時機を逸していたのだろう。惜しいことだが、世界はそんな悔いで満ちているのかもしれない。
そんなきびしい世界に飛び込もうとしている日本のMRJに商機がどれくらいあるのだろうか。ぜひ成功して欲しいが、そんな思いだけで勝利が得られる訳でもなし…などと偉そうなことを考えつつ今日は腹筋プログラム。
性向につながるかどうかはわからないけど、こっちは自分の身体一つのことだからね。
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