スバル360は日本の軽自動車。「てんとう虫」のあだ名で親しまれた。十分な実用性を持つ軽乗用車として誕生し「日本最初の大衆車」とも評される。
私がまだ小学校に入学するかしないかのころには生産が終了したので、記憶の中では「古くさい車」とタグ付けされている。デザイン面でもフォルクスワーゲンを真似たかのように思えたので、「やっぱり日本はガイコクよりも遅れているな」とネガティブな印象を抱いたものだ。
だが、わずか360ccにも満たない小さなエンジンと、いまだ十分に投資されていない工作機械を駆使して、必要十分な機能の乗用車を開発・生産できたというのは、讃えるべき事実だろう。
360の車体・シャーシ設計のチーフは百瀬晋六氏によるものだ。彼は戦中、中島飛行機にて軍用機用エンジン<誉>の設計に携わっていたという(<誉>設計主任は中川良一氏)。
彼が戦中に得た教訓がどのようにスバル360に反映されたかは知らない。だが、設計・開発の過程に彼を含め少なからぬ航空畑出身者が参加していたのは確かだろう。
欧米の車両と比べてはるかに小さいエンジン、乏しい生産技術でそれと比肩できる乗用車を生み出さんと苦闘した百瀬氏の心中はどのようなものだったろうか。中川氏ら先人と同様に苦況にあって、少なくとも彼は決して絶望してはいなかったはずだ。
たいしたもんだよな、などと思いつつ今日はエリートのミッション1。
絶望は愚か者の結論。そこから逃れる道は見つけられないが、そこに陥らぬようにあがく。ふらついているだけとも言えるが、今はまだそれがせいいっぱい。
交通博物館に実車が展示されていましたが(引っ越した後どうなったかは不明)、ハンドルシャフト剥き出しで回転計すら付いていない豪快な運転席に感動したものです。
で、ここを読んでいてEeePCを連想したり。
無駄のいっさいないシンプルで堅牢な機械は美しいです。
投稿情報: ばべる | 2008-08-17 02:19
>EeePC
ですよね。
ああいう割り切り方はいさぎよくて好きです。
最近は追随する製品が増えてきて特徴が分かりづらくなっていますが、あのクラスの市場を発見し開拓できたのは、まさにあの「割り切り」があってのことだと思います。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2008-08-17 16:28
>最近は追随する製品が増えてきて
DELL Eは、噂通りの概観とスペックと値段なら買ってしまいそうです。
持ち歩き用、自宅サーバとか用途はいくらでもありそう。
Engadgetとかでも言われてましたが、最近のDELLマシンはやたらデザインいいですねえ。
投稿情報: ばべる | 2008-08-17 18:50
>デザイン
今までがスンバラシすぎたという話も…。
HPは、コンパックを吸収する前のほうがUSAってカンジで好きでした。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2008-08-17 20:14