アラドAr396はドイツの試作高等練習機。同じく高等練習機であるAr96の戦時簡易型にあたる。
胴体や翼を木製化して戦略物資の有効活用を図っている。また主脚構造も簡素化され、畳んでも脚柱は翼下面にむきだしのままとなった。
開発にあたってはアラド社のみならずフランスのSIPA社、チェコのレトフ社が参画している。
残念ながら試作機が完成した1944年12月にはすでに戦局は逼迫しており、量産には至らなかった。
だが戦後、新生フランス軍はSIPA社に同機を練習機として28機発注した。その際、名称はS.10と改められている。
SIPA社ではその後も改良を続け、ルノー製エンジンに改めたS.11、そして機体を金属製に改めたS.12を生み出している。これらには近接支援用ロケット弾の搭載能力が与えられ、アルジェリア植民地においてCOIN機としても活躍している。
Ar96を木製化したAr396をまた金属化しているけど、それってもとのAr96とどう違うんだろう。などと無駄なことを考えつつ、今日は最終プログラム。
試行錯誤は単なる回り道と見えることも多いが、目につきにくいところで大小の問題を解決する上で必要だったりもする。きっとAr96とS.12の間にはそんな「必要」が横たわっているのだろう。ワシのヘナヘナなエクササイズはなかなか数字や見た目にはつながっていないが、きっとなにかへと進むための「必要」の一部なのだろう。
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