第508重戦車大隊はドイツ陸軍直轄。ティーガーIを主力とした部隊だ。
面白いことにBIV重装薬運搬車(SdKfz301)も装備している。BIVは無線操縦で、敵のトーチカや地雷原に大型の装薬を設置・爆破する。
第508重戦車大隊は1944年1月、アンツィオの戦いに参加しているが、蛇行した隘路200kmを行軍するうちに肝心のティーガーIの6割が故障した。それでも敵戦車20両を撃破するなど活躍した。
損害も大きかったのでローマに後退し再編、3月には再び前線に向かうも、今度はBIVが山道で次々と転落する。
次いで5月、連合軍の包囲網突破作戦に対応して奮戦するも、燃料不足などで43両あったティーガーIのうち実に19両を失った。
その後は中部イタリア、オーストリアなどを転戦する。が、そこでもワインをおさめた蔵の天井を踏み抜いてティーガーIが動けなくなり、爆破処分したりしている。
同大隊は、やたらと行軍中に戦力を失っているように見える。
イタリアというと古くからローマ街道が整備され、こと道路についてはロシアなんかよりずっと整っていそうなものだが、そうでもなかったのだろうか。
あるいは、やはりティーガーIは機動戦に不向きすぎたということなのだろうか。
連合軍による阻止攻撃で、まともな道を使えなかった、ということかもしれない。
どうしても戦いというと前線での丁々発止をイメージしがちだが、こういった移動や補給など、目立ちにくいが重要な要素にこそ気を配るべきなのだろう。
などと思いつつ、今日はTAEBO T3 トランスフォーメーション。筋肉ムキムキとか腹筋割れたなんて目立った変化はないが、それでも以前よりはだいぶん改善したとは思うよ。
戦車は道路を移動するものではありません。
現代の最新鋭戦車だろうと、150km以上の道路移動を行えば、まず半数は脱落します(と言うか、電子化・複雑化した現代戦車の方が昔より遥かに故障箇所が多くなっています)。
大量のトランスポータと整備中隊nなしには、とうてい戦車部隊を作戦させることなどできないのです。
師団の定員あたりの後方部隊の割合が8割を超えるような現代の米軍ならいざ知らず、人もトランスポータも部品も燃料も航空優勢もないドイツ軍は、その状態からは信じ難いほどよくやったと言えるでしょう。優れた訓練システムと、現場で熟練した尉官と下士官層が分厚かったおかげですね。
投稿情報: ばべる | 2009-05-10 14:05