HP Jornada 548はPocket PC。日本では2000年10月に発売された。OSはWindows CE 3.0をベースとしたPocket PC。なお、それ以前はPalm-size PCの名が与えられていた。今日のWindows MobileへとつながるOSだ。
CPUはSH-3、RAMは32MBだった。コンパクトフラッシュスロットを備えており、当時はマルチメディア向けのPDAととらえられていた。
Jornadaの名はHandheld PCにも与えられており、そのしっかりとした作りは一定のファンを集めていたと記憶している。あるいは、名機HP200LX以来の忠誠心がJornadaシリーズには向けられていたのかもしれない。
しかし2002年、HPがCOMPAQと合併したことによりJornadaシリーズの運命は変わった。COMPAQのiPaqは当時、CEベースのPDAの中では最も成功しており、 新生HPとしてはそれとJornadaを並立させる意味を見いだせなかったのだ。
結局その後もCEベースのPDAは大きなヒットを生み出せぬままだ。ITバブル崩壊と同調するようにPDA市場は縮小し、スマートフォンへと合流していく。CE系は今日、電子辞書やスマートフォン、PNDなどのOSへと広がり、それなりの成功を収めている。
本来的用途と見られたPDAとしては大成しなかったものの、他の市場で受け入れられたのは、CE系OSの素性が良かったからなのだろう。でなければ、これほどまでの発展・展開は望めなかったろうから。残念ながらPalm OS系はPDA用途では極めて適していたものの、それ以上ではなかった。
なんとも難しいものだな、と思いつつ今日はTAEBO T3 アクセラレーション(エクスプレス)。
手のひらに載るような小型機器でもこんな運命のうねりがあるのだから、人間様の運だってあっちいったりこっちいったりするだろうさ。
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