M-561<ガマ・ゴート>はアメリカの6輪駆動トラック。主にベトナム戦争において活躍した。
<ガマ・ゴート>は、空港で用いられる航空機牽引車とトーイングトラクターを掛け合わせ、たっぷりプロテインを食わせてマッチョに育てたような形をしている。4輪を備え、乗員が座る前部と、貨物を積む2輪トレーラー風の後部が複雑なジョイントで結びつけられている。すべての車輪が駆動し、うち4輪で操舵できる。前部と後部を結ぶジョイントは自在に曲がるため、狭隘な道でもスムーズに走ることができた。
一応「半水陸両用」とされているが、スクリューなどはない。しかしおよそ等間隔に備えられた6つの車輪は泥濘地でもパワフルに駆動し、重い荷物を積載したままでも平然と走り抜けた。全幅は<ハンヴィー>(HMMWV)よりも小さく、航空機での輸送や、パラシュートによる投下も可能だった。
このように優れた特性を持つ<ガマ・ゴート>だったが、その複雑な構造に伴う故障や大きな騒音、そして特殊な訓練を要する運転の難易度などの問題を抱えていた。
このため、今日では<ハンヴィー>にその役割を譲っている。
あのころは、「複雑なメカニックが問題を解決してくれる」という信仰が世界に満ちていたように思われる。必ずしもそうではないと多くの人が気付いた結果、シンプルさとパワーが最も有効な解決策とされている。
たしかにそのとおりなのだが、いささか味気ない時代になったものだ。
などと年寄り臭いことを思いつつ、今日はTAEBO T3 トランスフォーメーション(エクスプレス)。
シンプルさとパワーが、より複雑な問題の原因となるケースもあるよなあ。