ボーイング717はアメリカの旅客機。100席クラスの双発機である。もともとはマクドネル・ダグラスがMD-95として開発していた。ということは、ダグラス社のDC-9がご先祖様ということになる。
1997年にボーイングがMD社を吸収した際、唯一MD-95だけが開発を継続された。当初ボーイング社としては乗客の収容数が近い737−600での代替を考えていたようだが、すでにMD社へと発注していた航空会社の多くが、切換を拒んだらしい。このため、ボーイング社は「長距離用は737、短距離用は717がお得です」として一時的に併売することとした。
機体はT型尾翼、リアへのターボファンエンジンの配置、2+3席の胴体断面など、ベースをDC-9からそのまま受け継いでいる。しかしグラスコクピット化、新世代エンジンBR715の採用などで着実に進歩もしている。
ボーイング社では2001年10月には新規受注受付停止と生産中止の意向を明らかにした。だがいまだ導入を検討していた航空会社からの要望に従い、その後も受注・生産は継続する。ライバルにあたるエアバスA318よりも運行費が13%ほども安い点や、2+3の座席配置が出張客に好まれた(搭乗率が8割以下なら、全乗客が窓または通路に面した席を利用出来る)点が影響していたのかもしれない。
だが、エンブラエルなどがリージョナルジェットを延長したモデルを提供し始めると、その競争力は弱まる。こうして2006年、ダグラス、そしてマクドネル・ダグラスの血脈を継ぐ旅客機はついに生産停止へと至った。
土俵際での見事な粘りってとこかな、などと思いつつ今日はTAEBO T3 イグニッション(エクスプレス)。わしもすぐにヘタれて逃げ出す癖は、なんとかしないとなー。
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