ボーイング747<ジャンボ>は言わずと知れた大型旅客機。近年登場したエアバスA380を除けば、世界最大の旅客機だ。
1960年ごろ、ボーイングは「1970年代の航空旅客の需要を満たすには巨人機が必要」との市場調査結果を得ていた。巨人機の開発には莫大な投資が必要だったが、幸い同社は空中給油機KC-135が空軍に採用されたばかりで、懐に余裕があった。
さらに空軍は大型輸送機CX-HLS計画を立ち上げる。手探りの大型機開発だったが、空軍の具体的な要求により少しずつ形となっていった。しかしながら、同計画では最安値で提案したロッキードに敗北する(後にC-5Aとして結実)。
ここでボーイングは方針を変更、CX-HLS計画から脱落後わずか2ヶ月でパン・アメリカン航空から発注趣意書を受け取った。当時のパンナムはアメリカのフラッグキャリアであり、航空業界全体に大きな影響力を持っていた。1966年には正式に発注が奉じられ、1969年には初飛行する。
欧州などでは将来旅客機として超音速機を想定しており、それはコンコルドとして結実するのだが、決して主流とはならなかった。
巨人機は旅客のコストを大幅に下げ、その市場を大きく広げた。同社の707と並び、航空史を塗り替えた傑作と言えるだろう。
軍用輸送機としての出自もあったことからだろうか、今日も大型貨物機として最新型747-8の開発も進んでいる。その登場から半世紀は現役として市場に君臨し続けることは間違いない。
すげーもんだな、と思いつつ今日はターゲットタエボーの胸&肩および背中。おれもなにか名前を残したいな、などと地方都市の片隅で思う。