ブレゲー941はフランスの軍用輸送機。
最大56名の兵士を搭載してもわずか320mの滑走で高度10mに達することができるSTOL機だ。4基のターボプロップエンジンが発するプロペラ後流を前縁スラット、二重隙間フラップに吹きつける事で強い揚力を得る機体だった。
1958年に実験機940が、1961年には輸送機として利用出来る941の1号機がそれぞれ飛行している。
フランス空軍では1967年に評価部隊ET3/62が編成され、実用原型機941Sを4機使い、合計3000時間以上のテストフライトが行われた。
もともと輸送機として開発されただけあってSTOL機としては大型で、米ではマクドネル・ダグラス社がライセンス生産を計画した。NASA、米軍のみならず、連邦航空局、イースタン航空、アメリカン航空も試験に参加している。
しかし当時の航空会社はジェット化に邁進しており、STOLとはいえターボプロップ機を採用することはなかった。STOL機は小規模な滑走路でも運用できる点がメリットだが、わざわざそのために小規模空港を作ってもペイさせるのは難しい。ましてSTOLということで通常の機体よりも構造が複雑化するため、運行コストも高くなりやすい。
それらもあって商用化はならず、フランス空軍でも先の4機以上を導入しなかった。
試験ではとくに不具合はなかったとのことだったので、実用化一歩手前まで行ったと言えるだろう。いささか残念ではある。
まあSTOLって半端は半端なんだよなあ、などと言いつつ今日はターゲットタエボーの胸&肩および腹筋。帯に短し襷に長し…どっかの人もそんな感じですね、はい。
米国やフランスでテストして少々遠くても陸続きなら車で走ればいいジャンでお蔵入りしたそうですが。島嶼の多い日本においてはいろんな局面でSTOL機はC-130より魅力的、空自に1機でもあればさぞかし多彩な局面で活躍しただろうと思います.つくづく惜しい奴だなぁ。
投稿情報: まつもと | 2012-01-11 23:43