CNN.co.jpより。
米空軍によると、11月からの1カ月間で輸送機が運んだ医薬品、水、食料や特殊装甲車両などは1日当たり450トンと、それ以前の通常量に比べ約350トン前後激増した。
空輸する重量が4.5倍か。
いくら産油国に駐留しているとはいえ、それらに対応できるだけの航空燃料を供給するのは大変だろう。また、空輸部隊の負担も極めて大きいに違いない。
こんな状況がこれからも続くなら、さしものアメリカといえども耐え切れなくなるのではないか。
アフガニスタンに侵攻したソ連と同じ目とならねばいいのだが。
先のラムジー前線視察時の質問会で明らかにされたように、ソフトスキン車輌用の防護キットが十分に支給されていないのは、ヴェトナムの戦訓を素通りしているものと批判されても仕方ないでしょう。
IED(道路爆弾、地雷)に対する直接的で決定的な特効薬は未だ存在せず、車輌前面に土嚢を積み上げる、訓練を積み警戒を厳にするといった受動的な対策に頼らざるを得ません。
BTR装甲車が乗車歩兵もろとも文字通り吹き飛んでいる有名な動画がありますが、アフガンやチェチェンでソ連軍に最大の出血を与えたのも道路爆弾と地雷でした。戦略的ないし政治的な手段を強化して制圧を図らない限り、おっしゃる通り、後方への攻撃は長期的に米ハイテク軍の致命傷とも成りかねません。
投稿情報: ばべる | 2004-12-16 21:37
米軍の補給所要量と今回の措置の意味を丼推測してみます。
ざっと数えて見たところで、現時点での在イラク米軍14万を構成している地上戦闘部隊は、
歩兵・機甲・騎兵大隊 71個
砲兵大隊 29個
ヘリコプター大隊or飛行隊 19個
環境の厳しい砂漠で行動していること。
高強度の正規戦が戦われていないこと。
戦車兵や砲兵の多くが「竜騎兵」として勤務していること。
等を考慮すると、1日あたりの補給所要量はおおよそ4,000~7,500tといったところでしょうか。
恐らく10,000tには達しないでしょう。
>トラック400両以上、運転手約1050人が輸送任務から外れ
これはだいたい輸送1個大隊に相当し、その搭載量は約2,000t。輸送部隊の個数は今回数えていませんが、理論上は全地上部隊の輸送能力の2%弱に当たります。
つまり全体から見れば、地上輸送力の被害はまだ決して深刻な段階には達していません。最前線のもっとも危険な状況下での輸送手段の一部をトラックから航空機に移したということでしょう。
投稿情報: ばべる | 2004-12-16 22:45
追記
肝心の航空輸送については、車輌や人員を含めた「450t/日」のうち需品が占める割合が不明なので評価できません。
とりあえず、在イラク米軍の空輸部隊の規模を見てみると、戦域内の戦略輸送機と戦術輸送機をひっくるめて(除く空中給油機)、
C-17 約10機
C-130 約40機
1ソーティの最大搭載能力は計約1500t。
今のところまだ余裕はあるかと。
投稿情報: ばべる | 2004-12-17 20:52