先日、「中国政府にとっても危険な話」を書いたところ、予想外にトラックバックを受けたことから。
まず、私は反中国の立場にあり、中国の弱体化を願っていることを明確にしておく。
理由は、かの国が強化・拡大されれば必然的に日本が圧力を被ると考えているからである。
日本は、自らを含む海洋国家群とランドパワーたる中国が衝突する最前線に位置している。ランドパワーが拡大を求めれば必然的に日本との摩擦が生じる。当然、それは国民の経済活動・生活へも影響してくる。
なお、ランドパワー側につくという選択肢はより危険だ。アメリカをはじめとする海洋国家群のほうが、より効率的に日本への圧力を行使できるからだ。
さてその上で、日本における昨今の反中国感情の気運には不安をおぼえる。
なるほどたしかに、中国市民が示す反日感情や、露骨な反日外交には閉口する。
しかし、だからといってこちらまでが反中国感情を高めるのは危険だ。
それでは結局、「中国と同じ穴のむじな」「しょせんアジアの大国など民度が低いもの」と世界から受け取られるだけだ。
日本は多様な価値観・多様な文化を受け入れてきた国だ。これほどの「多様さ」「寛容さ」を実現している国はまれであり、その結果として今日の繁栄を得た。
しかし決して、自然に「多様さ」「寛容さ」を実現してきたのではない。先人たちが試行錯誤の末、それらを実現してきたのだ。
我々がすべきことは「多様さ」「寛容さ」を捨て去ることではない。
それらを保持しつつ、峻別し、冷静に判断する能力こそ、我々に必要なのだ。
言い換えると、こうなっちゃダメだってこと。
http://uqmgp.hp.infoseek.co.jp/
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2005-06-26 08:38
>より効率的に日本への圧力を行使できる
■日中「大アジア同盟」対米台同盟もし戦わば(w
状況が急速に悪化して局地通常戦が開始された段階
アメリカの取るべき軍事戦略は明快。先の大戦から変わっていない。すなわちハワイ、グアム、台湾を戦域作戦基地として(ハワイは戦略基地を兼ねる)、まず沖縄に侵攻。グアムの爆撃機隊は日本本土および中国の航空基地を打撃する。
中国陸軍を含む守備隊多数との最大級の激戦が予想されるが、沖縄上空の航空優勢が確保され、日中軍の補給が絶たれた時点で戦闘は事実上の終結。
沖縄に大規模な作戦基地を建設し、日本本土を衝くための両用戦力をここに展開する一方、小笠原諸島を攻略してここに空軍基地を置く。
台湾~沖縄~小笠原線によって日中はほぼ完全に外洋への出口を奪われ、封鎖される。
徹底的な航空打撃戦により日本航空戦力を消耗させる一方、欺騙・陽動を活発に行い、九州ないし本州太平洋岸への着上陸作戦の敢行をちらつかせ、日本陸上戦力の配置を分散・混乱せしめる。
以上の如く優位な地歩を保ちつつ、講和から本土進攻までのオプションへの対応体勢を維持する。
考察
・日本の迎撃戦闘機部隊はきわめて有力だが、航空基地への集中的な打撃に長期にわたり堪えることはできない
・日本の水上部隊、とりわけ対潜戦力はきわめて有力だが、航空支援を伴わずに外洋で作戦することはできない
・日本の潜水艦部隊はきわめて精強だが、その戦力は小さく、全ての要地を同時に防護することはできない
・日本本土の戦略縦深は小であり、また太平洋岸に沿って主要都市と港湾が分散しており、この方面からの攻撃にはきわめて脆弱である
・海洋通商国家として日本の国力と生存を保全するに足る世界規模の海軍力を、日本は独力で保有していないし、(資源小国ゆえに守るべきバイタルな通商の量があまりに多過ぎて)保有できない。それを日本に提供し得る国家はアメリカのみである
結論:中国、ロシア他いかなるアジア国家との同盟を成立させていようと、アメリカとの衝突はただちに日本の滅亡を意味する
投稿情報: ばべる | 2005-06-26 10:00
逆から見れば、中国が太平洋に進出しアメリカの権益に挑戦するには日本が最大の障害になっているのであり、この知政学的事実は日本がアメリカに売ることのできる最高値の商品のひとつです。
この切り札をまったく無視した形で「近未来アジア外交」を提唱する政治家は気が違っているのか、それとも何か他に意図するところがあるのかと考えるしかありません。
投稿情報: ばべる | 2005-06-26 10:18