YOMIURI ONLINE「小笠原航路の世界最高速客船、燃料高騰で就航断念」より。
しかし今年6月、船を所有する政府系企業とリース契約を結んでいた「小笠原海運」が、昨夏以降の原油高に伴う燃料費の高騰から、年約20億円の赤字が見込まれるとして、契約破棄を通告した。
このため、国交省造船課と都は、計50億円でTSLを買い取り、小笠原海運へのリース料を年約8億5000万円から2億円前後に引き下げることを計画。それでも見込まれる年10億円程度の赤字は、新規の補助金を設けて補てんする見直し案を検討した。だが、財務省が「助成額が大き過ぎるうえ、抜本的な解決になっていない」としたほか、国交省内にも反対意見が強く、造船課は今月中旬、来年度予算の概算要求に見直し案を盛り込まない方針を都に伝えた。
11月就航予定だったから、ほぼ完成に近い状態だろう。いくらなんでも廃船はもったいなさ過ぎる。
災害支援を目的に、海上自衛隊か海上保安庁に運用させてはどうだろう。できればRORO船に改装したいが、ヘリ甲板だけでも設ければ病院船・移動指揮所として使えるだろう。
しかし、運用コストはいかにも高そうだ。無理してそこまでするよりも、ウェーブピアサーをリースしたほうがなんぼかましか。たしか、運行を停止しているウェーブピアサーが国内にあったはずだし。
それにしても、ウェーブピアサーが成功しているにもかかわらずTSL計画を推進した国土交通省の皆さんは、どう責任をとるつもりなんだろう。
そもそも「年20億円の赤字」の根拠がはっきりしない。
こちらでも分析されていますが↓
ttp://plaza.rakuten.co.jp/kirkhanawa/diary/200506060000/
主張しているような「燃料費の高騰」だけが原因なら、赤字幅は「年7億円」のはずなのに。その辺りの説明が納税者に対してまったく行われていません。
>海上自衛隊か海上保安庁へ
同意です。この種の大型超高速船の用途は今のところ軍用にしか見出せないでしょう。
>ウェーブピアサー
一部のウェーブピアサーに倣って、機関をディーゼルに換装するか、容易に換装できるようにしておくべきでしたねえ。「TSL技術の存続を民生の枠内で長期的に図る」
という意思があるのであれば。
投稿情報: ばべる | 2005-07-25 21:11