CNN.co.jp「利用国の治安維持コスト負担を促す、マラッカ海峡」より。
クアラルンプール――マレーシアのナジブ・ラザク副首相は1日、同国が接し、海賊がはびこるマラッカ海峡の治安維持対策に関連し、海峡の利用国が関連コストの一部を負担すべきだとの考えを明らかにした。マレーシアのベルナマ通信によると、日本の協力がモデルになると指摘、他国も追随するように促した。
日本の財団が、新設されたマレーシアの海上保安庁へ寄贈した訓練船の引き渡し式典で述べた。「ただなものは何もない」とも指摘した。
ベルナマ通信はマレーシア国営。で、この「日本の財団」が日本船舶振興会……じゃなかった日本財団。
マレーシア海上法令執行庁に引き渡されたのは全長40m、270総トンの教育訓練艦<マーリン>。詳細は日本財団自らのサイトにあり。
つまるところ博打の胴元が、マラッカ海峡という戦略ポイントの安定維持について旗を振るというのはどうもなあ。日本政府が関与していないというのなら責任放棄だし、関与してるのであれば「癒着」というやつだろう。
まして、インドネシアに巡視船を供与するというこの時期にわざわざ、だ。なんとも薄気味悪い。
日本はASEANにアメリカ、インドを加えて南西太平洋の多国籍警備機構設立のイニシャティヴを取るべし…と5年くらい前から愚痴っているわたしには良いニュースですが。
一方でこんな記事も。
アジア太平洋の災害救援、各国軍が連携…額賀長官提唱
ttp://www.worldtribune.com/worldtribune/WTARC/2006/me_israel_06_01.html
これも半恒久的な安全保障機構の提案ですねえ。
このような組織をあわよくば対中包囲網に…などと目論むのは短絡的で危険な考えですが、それは置いておいて、もし内政不干渉を大原則としている現在のASEAN加盟諸国間の利害(例えばスプラトリー諸島)調整の役に立てば外交的にも大成功と愚考します。
投稿情報: ばべる | 2006-06-05 02:41
おっしゃるとおり、有意義で国益にもかなうというのは確かです。
気になるのは、ちゃんと政府がイニシアティブを持っているかという点。
赤色分子への対抗勢力としてヤクザを利用した結果、彼らを必要悪としてしまったという経緯が日本にはあったと考えております。
今回の行為が、「必要悪」にのさばらせる機会を与えはしないかと心配です。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2006-06-05 12:29