CNN.co.jpより。
イスラエルと、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの軍事衝突で、ヒズボラは14日、レバノン沖でイスラエル軍艦艇を攻撃、炎上するなどの損傷を受けた。乗船のイスラエル兵4人が不明となっており、捜索している。
(中略)
イスラエル紙ハーレツは、艦艇への攻撃には爆弾を積んだ無人飛行機が使用されたと報じたが、イスラエル軍は確認していない。
最初の一文は日本語としてどうかとは思うが、それはさておき。
戦車砲のような運動エネルギー弾でない以上、威力は基本的に炸薬の重量に比例する。もし対艦ミサイルほどの炸薬量なら、被害はこの程度ではすまなかったろう。無人機はおそらく偵察用途のそれを転用した、比較的小型のものだろう。
2004年ぐらいにイランからヒズボラが供与されていた無人機はラジコン型ではなく、事前に経路を設定しておくタイプだったと聞く。記事中には「沖」とあるから、多分航行中の艦艇を攻撃したのだろう。事前の経路設定だけで移動目標に命中させられるとは考えにくい。とすると、今回利用された無人機は、かつてイランから供与されたものではない。少なくとも、その改良型ということになる。
精密誘導に利用できる技術はなにもアメリカやイスラエルだけのものではない。民生にも広く使われる技術である以上、ヒズボラに限らず世界中の武装勢力が入手できるだろう。そして遠隔精密誘導が可能なら、その攻撃対象は艦艇だけとは限らない。
今後、こういった攻撃が世界各地で試みられはしないかと危惧する。
駆逐艦「エイラート」の最期とイスラエル機甲旅団の潰滅を思い出しました。報道が事実だとすれば、再び中東の地が新しい兵器と戦術の実験場になったことになりますね。
いずれ対抗策が確立されるでしょうが、戦争にかかる金がいっそう増えるのだけは避けられないでしょう。
投稿情報: ばべる | 2006-07-15 23:02
トロフィーアクティブ防御システムみたいなのが一般化するんですかね。
しかし艦艇やAFVはともかく、民間施設にまでそれは難しいよなあ。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2006-07-16 09:06
こんな時にコメントを付けるのは心苦しいのですが…
UAVではなく、イランから供給されたYJ-2サッケードSSMだったようですね。あれはけっこう大きなミサイルですから、幌付き大型トラックの荷台か何かから撃ち出したのでしょう。
あんな旧式なSSMの命中を受けたのは、不運だったのか(例:陸地のクラッターに阻まれミサイルを探知できなかった)、それとも油断していたのか(例:ECMのモードが正規の海空戦用にセットされていなかった)。
投稿情報: ばべる | 2006-07-17 03:24