WashingtonPost.com「House Votes to Let Allies Buy Top U.S. Fighter」より。英語はよくわからんので勘違いしていたらすまん。
どうやら輸出用モデルを日本やイギリス、オーストラリアに売れるんじゃないかと考えているらしい。
日本にはF-4の後継として100機(?)売ってもいいと言っているもよう。
F-22ラプターにはずいぶんと高度なテクノロジーが詰め込まれているから、輸出モデルでそのどれをオミットするつもりかはなんとも言えない。まあ、外形によるステルス技術はほぼ完全に残るだろう。エンジン換装も難しいから、超音速巡航能力も維持される。それらはSu-27系などライバル機が持ち得ない機能であり、もし自衛隊が装備すれば大きなアドバンテージとなる。
しかし、それらのためだけにF-15なりタイフーンなり(ないない)との差額を容認できるか。
個人的には
- F-4の後継機としてF-22を導入し、制空戦闘機はF-22とF-15の二本立てに
- マルチロール機導入はF-15の退役にあわせて、F/A-18Eライノを
(どうもJSFは大ゴケしそうな予感)
かなー、と今は思っている。
・開発費が2倍弱に膨張(110億ドル→186億ドル)
・米空軍への配備計画数が激減(750機→339機→183機)
したことから、単価を抑えてラインの雇用を確保するために、最終的に輸出を解禁せざるを得なくなるのは時間の問題でしょう。
もっとも、イラクやアフガン戦線ではポッドを外部搭載できないF-22への用兵者の期待は著しく小さく、事実、先頃危うく計画全体が放棄されるところを空軍が他の多くの計画を犠牲にして救ったいきさつがあります。
「今そこにある」対テロ戦用軍備と、来るべき中国との正規戦用軍備との狭間で揺れ動く米軍の象徴と言えますね。
>後継機
繰り返し主張しますが、専守防衛方針を大きく変更しない限り、日本の主たる仮想敵は中国の正規軍ですから、F-4はもちろん、技術的に陳腐化したF-15の後継は先進的な機体でなければならないと考えます(長期的な費用対効果から)。
F-4をF-22に更新し、F-15については当面命数延長を施すか、米空軍が必ずやF-22の「保険」として準備しているはずのF-15「スーパーイーグル」を待ってみるのも吉かと(w
>輸出
契約を破ってF-16をリバースエンジニアリングし、さらにコピー品を輸出しようとして怒られたどっかの国にも売るんだろうか(w
投稿情報: ばべる | 2006-07-02 23:23
空自は「マルチロール機を買う」と言ってるのがちょっと引っかかりますね。
その言葉どおりなら、今買えるやつってライノかストライクイーグルぐらい。
でもきっと、前言撤回してでもラプター導入でしょうね。
マルチロール機のほうは多少時期が遅れても、ライノなりF-35なりを買えるでしょうし。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2006-07-03 12:31
>マルチロール機
とても難しいところです。
・技術的にはF/A-18Eが大きく優る。
・運用コストと整備製はF/A-18Eが大きく優る。
・最大武器搭載量はF-15Eがやや優れる。
・航続距離はF-15Eが大きく優る
比較対照としてF-16Cを加えた、これら3機体の作戦行動1飛行時間当たりの運用コストと戦闘行動半径を並べてみると、
F-15E 14,800ドル/650海里(2000ポンド爆弾×4)
F-16C 9,300ドル/340海里(2000ポンド爆弾×4)
F/A-18E 6,000ドル/390海里(2000ポンド爆弾×2)
F/A-18C以来の脚の短さが災いして、火力投射量当たりのコストでは、F-15E>F-16C>F/A-18Eの順になってしまいます。
この差はこれだけでは決定的なものではないですが、特に日本の外洋での作戦を考えた場合、F/A-18Eに十分な数の給油機部隊の支援が不可欠なのは言うまでもありません。
用兵とトータルコストを考えるとF-15E(対艦攻撃任務型)、という結論になるでしょうか?
投稿情報: ばべる | 2006-07-04 01:24
F-16が価格も兵装量もF-18Eを上回るなんておかしいんじゃないですか。
推力や機体の大きさを考えても比較にならないでしょう。
もしかしてF-18は国内向けのC/D、F-16は輸出し様の最新型の価格でしょうか。
F-15Eもそこまで高くないですよ
輸出向けでも一機1億ドル強程度だと思います
投稿情報: きくま | 2006-07-08 14:00
んん?
比較されているのは作戦行動1飛行時間当たりの運用コストですよ。
ライノのような再設計を受けていない分、F-16のほうが高くなるのはありそうな話です。
あと、兵装量と飛行距離は相反するものですから「これだけ搭載すれば、燃料が限定されるので飛行距離は落ちる」ということでしょう。
やはり純然たる空軍機は海軍機と比べるとアドバンテージがあるんですねえ。
ライノ萌えの私としては、F-4よろしく空軍向けに再設計してくれないかな、とも思うのですが(むりむり)。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2006-07-08 14:17
>おかしいんじゃないですか
いやだからF/A-18は脚とペイロードが異様に小さいのが弱点ですから。A-6を退役させる時もそれで問題になったのですが、覚えておられませんか?
それにもかかわらずF/A-18が重宝されるのが、F-14をも早期退役に追い込んだ運用コストの小ささですね。これもニュースになりましたね。
>F-15Eもそこまで高くないですよ
いやだから「同じ攻撃距離で同じ量の爆弾を運ぶために必要なコスト」を比べた場合に、F-15Eがいちばん安いという話をしているんですが?
1機当たりの調達価格は政治を含めた様々な事情で変動幅が大きいので取り上げなかったのですが、FY1998の米軍への納入価格で一応比べてみるとこうなります。
F-15E 5,500万ドル
F-16C 2,,00万ドル
F/A-18E 6,000万ドル
全天候能力の不十分なF-16Cはあくまでも比較対照での記載。F-15EとF/A-18Eの調達価格はほぼ同じ。これだけでは導入の判断する決定的な数字にはならない。だから、F-14の早期退役の原因となった運用コストの方が重要になるのです。
おかしいと思われるなら、上で示した数字は、ただ単にこの辺の↓有名どころのデータを再構成しただけですから、ご検討ください。
ttp://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/f-15-specs.htm
ttp://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/f-16-specs.htm
ttp://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/f-18-specs.htm
ttp://www.arthurhu.com/index/militry.htm
投稿情報: ばべる | 2006-07-09 00:13
訂正です
F-16Cの1機当たり調達価格は 2,700万ドル
投稿情報: ばべる | 2006-07-09 00:15