ライス米国務長官は10日、CNNテレビに出演し、核実験実施を発表した北朝鮮に対し、「ブッシュ大統領は(軍事的選択を含む)あらゆる選択肢を検討対象から排除しない」としつつも、「米国には北朝鮮を攻撃したり進攻したりする意思はない」と述べた。
「進攻」以外に「攻撃」と述べている点から、この「攻撃」には揚陸作戦などを伴わぬ空爆(この語も不思議だが…)や巡航ミサイルなどによる軍事拠点破壊も含まれていると思われる。
私は、今回の案件への対応ではなんらかの軍事オプションが必要だと考える。
実効性が怪しげなまま経済制裁のみを実施した場合、新たに核武装を欲する国々を抑制する力となり得るだろうか。
このままなし崩し的に北朝鮮が核保有国となり、しかもそれをアメリカが事実上放置してしまったとすれば、アメリカの同盟国(日本や台湾、そして今のところ韓国も)は「自国の安全保障においてアメリカを頼りとすべきではない」と判断せざるを得ないだろう。
そして「強行すれば追認される」との事例だけがあるなら、いずれの国を押しとどめることもできない。外交によって多少は遅らせられるかもしれないが、どこか一国が走り出せば周辺国もそれにならう。そしてその動きは、極東のみならず世界に波及するだろう。世界の安定は損なわれ、なんらかの紛争を呼び起こす可能性も少なくない。
パキスタンに対してはできなかった措置も、北朝鮮が相手ならばできる。この機会を逃すべきではないと思われるのだが。
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