こんなのを読んだりすると「もう日本も終わりなのかぁ」などと思ったりもしてしまう。まあそんな受け取り方は、私がひどく単純で考えが浅いからなのだろうけど。
とはいえ、疑問も感じないではない。
「まだ終わらんよ!」なんて言えるような結論は出せないが、かといって本当にダメとも納得できない部分がある。
ずっと以前だが、私は玩具問屋に務めていた。そのころ経験から学んだことの一つとして「日本製品は外国製品と比べて、箱の質が数段いい」という点をあげられる。
ここで言う箱は包装に限らず、段ボール箱など梱包も含む。中国など開発途上国(大笑い)との比較だけではなく、欧米と比べてもそうだった。
日本製品の箱は角がきれいに立ち、一度開けてもきちんと閉じれば新品同様に扱える。だが、外国製の箱はそうではない。開梱すると箱はぼろぼろになる。というか、引きちぎるようにしないと開梱できない。つまり、到着点でその「箱」および梱包物の流通価値はなくなってしまう。
別の事例も示そう。
奥さんの師匠筋にあたる方は毎年フランスやイタリアへ仕事で出かけるが、やはりあちらでは適当な段ボールの入手が困難だという。日本ならスーパーの裏にいけばただで入手できるような段ボール箱ですら、欧州では買わねばならないとおぼしておられた。
おそらくこれには、日本の流通ルートが複雑で、メーカから小売店やエンドユーザにとどくまでの間にさまざまな業者が関わっている(いた?)ことが影響しているのだろうと思われる。すぐ壊れるような箱を使っていては商売ができなかった、ということだと考える。
これをもって日本の流通に無駄が多いとも指摘はできよう。
だが、こういった「中継」が自在におこなえるという日本のインフラ・ノウハウ・モラルは世界に誇ってもいいのではないかとも感じる。無論、それが産業・経済においてなんのメリットももたらさないなら、単なる無駄だ。
だが、本当にそうなのだろうか?遠隔地に、即利用可能な形で物品を提供する。しかも、その信頼性は極めて高い。アマゾンのマーケットプレイスを利用しても、まずその包装に不満を感じることはない。こんな流通ができるということに、本当になんの価値もないのだろうか?海外の低賃金労働者層と比較して、なんの差異もないのだろうか?
私にはそう思えないのだが。
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