60式自走106mm無反動砲は陸上自衛隊が初めて開発した装軌戦闘車両。全備重量はわずか8tで、M3ハーフトラックよりも軽い。重量的には、あえて言えば帝国陸軍の95式軽戦車(ハ号)が近い。
主武装は106mm無反動砲2門。2門としたのは、命中精度に劣る無反動砲で確実に敵戦車をしとめるためだと言われる。なにしろ無反動砲の射程は戦車砲よりずっと短い。撃てば派手な爆炎をあげ、榴弾砲以上の発射音を轟かせるから、見つかるのは必至だ。初手で敵を倒せなければ撃破されるのはまず間違いない。
本車両の開発に当たっては、「使えなくなった予算を消費したくて急遽転用した」とか「旧軍の装軌軽装甲車の復活を企図した」とか、どうも理解しがたい考えがうごめいていたらしい。
また、対戦車ミサイルへの換装も図られず、どこまで本気で運用するつもりだったかも怪しげだ。にも関わらず90年代まで運用されたのは、「廃止すると後継に予算がつかないから」だったとも聞く。
これが我が国の意志決定か、と思うとひどくうんざりしたものだ。それに振り回される自衛隊員には、正直同情する。
日頃から妙な意志決定に振り回されているのはこちらも同様。そんな訳でストレスをオイヤー!と振り払うべく応用プログラム。ま、ビリーの言うとおり、今こんななのはまさに自分の意志の結果なんだけどさ。
一方、アメリカ人は6門を積んだ。
まあ、オントスも8トン半ですし、軽量ということ自体は責めるに当たらないのではないかと。ジープに積んでいましたし。
馬鹿でかい無反動砲を肩撃ちしていたイギリス人は凄いと思います。
投稿情報: ばべる | 2007-05-29 09:02