99式1号20mm固定機銃は、有名なゼロ戦こと零式艦上戦闘機の主兵装。スイスのエリコンFF20mmを国産化したもので、その大口径と大威力から、一昔前は零戦の特長の一つとされてきた。
が、昨今はむしろ大口径故の初速の遅さ、当てにくさ(いわゆる『小便弾』になる)点をもって、装甲の排除とともに零戦の欠点とされるケースが多い。
なるほどたしかに、WW2初期の艦上戦闘機だった零戦は、20mmの機関砲(当時の海軍は30mm以下を機関銃とした)を装備すべきではなかったかもしれない。その分の重量を利用し、7.7mm機銃を合計6挺装備したほうが、アメリカの艦載機とわたりあうには使いやすかったろう。
また、後に99式2号として長砲身化・初速の改善が図られているのだから、その批判も事実に基づくものであったろう。
だが、WW2中盤以降においてはどうだろう? 艦載機以上に強固な防弾装備を有したアメリカ爆撃機に立ち向かうとき、7.7mm機銃のような小口径火器に存在意義はあったろうか?
実際、海軍は開戦前後から7.92mmや13mm機銃の国産化をすすめ、さらには30mm機銃まで開発している。会敵することもままならぬ高空を飛ぶ敵重爆への対抗を考えるなら、当時の日本軍戦闘機が持ち得た最良の装備は、やはり99式系の20mm機銃だったのではないだろうか。
むしろ責めるべきは、局地戦闘機(迎撃戦闘機)の開発に手間取り、本来艦上戦闘機だった零戦にその役割を代行させ、あまつさえその後継機開発に失敗した日本海軍のマネジメント力不足であろう。
…なぁんて後知恵で言ってるんじゃねーよ! そんなツッコミする気があるなら、まずてめえの職場でしなよ! と、まずは自らにツッコミ。
ツッコミついでに基本プログラム実施。ビリーバンド装備は過大な負荷ではあれど、それを嘆いていてもエンジンが大きくなるわけじゃないし。
重防御の米軍機に大口径砲で立ち向かうという大方針には他に選択の余地はなく、エリコン、マウザー、ブローニングのコピーである武器も(生産性は別として)それぞれおおよそオリジナルの7~8割の性能を発揮し得ていただろうし、こと機関銃(機関砲)に関しては陸海軍の造兵に間違いはなかったかと思われます。
結局、防御よりも攻撃を重視せざるを得ず、大型の無線機や装甲を積んで、新米パイロットがベテランになるまで生き残ることができるような機体を作れなかったことが、長期的に大きな痛手になったということなのでしょう。
投稿情報: ばべる | 2007-05-21 02:04