オペル<ブリッツ>3.6はドイツ軍の中型トラック。第二次大戦におけるドイツ軍の代表的なソフトスキンの一つだ。やたらバージョンがあるのでわかりにくいが、有蓋仕様のそれはKfz.305とされていたようだ。
四輪駆動型が25000両、簡略化された後輪駆動型が70000両生産されている。また、戦後も再生産されて民間で用いられたようだ。
バリエーションは豊富で、兵員輸送車や信号車、消防車や燃料補給車は言うに及ばず、後輪をキャタピラに換えたハーフトラックまである。なおこのキャタピラユニットは、英国カーデンロイド社から購入したパテントで製造した物らしい。
ハーフトラック型はフォードV3000SトラックやKHD S3000トラックから派生したそれとあわせ、<マウルティア>(驢馬)と総称された。なお、オペルのそれはSdKfz.3a、フォードは3bでKHDは3cだった。
オペル<マウルティア>の中には、薄いながらも(上面6mm、他8mm)装甲を施したモデルがある。そのうちロケット砲を搭載したものがSdKfz.4/1<パンツァーヴェルファー>、専用の弾薬運搬車がSdkfz.4である。
<パンツァーヴェルファー>に進化してもエンジンはオリジナルと同じ3.6リッター75馬力だったようで、いかに装甲が薄いとはいえ非力に過ぎたのではないかと思われる。なにしろ同じドイツのハーフトラックたるSdKfz.250や251で100馬力、アメリカのM3ハーフトラックに至っては147馬力と倍近いのだ。<パンツァーヴェルファー>の生産数がわずか300両にとどまったのは、そこに起因する限界もあったのではないかと推測する。
おそらく、最初に<ブリッツ>3.6を開発した時には、まさか装甲化自走多連装ロケット砲にまで発展するとは誰も思っていなかったろう。だがその質実な設計からくる生産性の高さが、<マウルティア>や<パンツァーヴェルファー>に至るバリエーションを生み出させた。
やはり基本ができていると違うな、などと思いつつ今日は基本プログラム。ええ、まだまだ基本もきちんとこなせていないんですよ、はい。
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