ユーロコプターAS355<エキュレイユ2>は汎用ヘリコプター。ベストセラー機AS350を双発化したモデルである。
AS350は1974年初飛行の民間機ながら、複合材を採用することによって軽量化し、機体価格や運航経費を抑えるのに成功した傑作機だ。こちらはアリエル1BやLTS101の単発である。
ヘリコプターの場合、双発だからといってローターが二つあるとは限らない。むしろそちらのほうが少数派だ。たいていは二つのエンジンで一つのローターを回転させる。仮に同じ合計出力なら、双発よりも単発のほうが性能に優れる。また、整備・運用の手間やコストも小さくなる。
だが、双発機には冗長性がある。万一のエンジントラブルなどで片発となっても、飛行が可能だ。たしかに、ヘリコプターはエンジンが完全に停止してもオートローテーションで降下できる。だがそれとて万全ではないし、ことに離着陸時のエンジン停止はたいへん危険だ。それを考えれば、双発化によるコストアップや重量増も容認されよう。
とはいえ、世の中にゃ冗長性なんて確保しようのない代物もあるんだよな、などと思いつつ今日はエリートのミッション1。たった一つの身体、たった一つのしみったれた人生。まったく、砂嵐の中で無防備な客を乗せたまま低空飛行する単発ヘリを操縦しているような気分だよ。
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