363年は<背教者>ことローマ皇帝ユリアヌスの没年。
キリスト教徒らが得ていた特権を廃止し、教職からの排斥を図ったりしたことから<背教者>と長らく呼ばれていたという。
だが彼はむしろ信教の自由を推し進め、諸宗教の均衡を図っただけだとの評価もある。
キリスト教世界からの見方も、多様性の尊重になれた現代に生きる者の見方のいずれも、公正かつ中立とは言えまい。ただ冷静に史料を分析する者だけが、わずかながらも真実に迫れるのだろうか。
などとどうしようもないことを考えつつ今日は最終プログラム。
ここ数日できなかったので、まずはならし運転ということで。焦ったり、思いこんでやるのではなく、できる範囲で少しずつやっていこう。
日本の歴史小説の最高峰、辻邦生『背教者ユリアヌス』はぜひご一読を。
この作品については何も付け加えることはありません。
投稿情報: ばべる | 2008-08-23 02:03