○デトロイト・メタル・シティ
いくら連載物でも、ギャグ漫画というのは背骨となる話がどうしても弱い。ストーリー漫画なら「なにかがおこる予感」とかで保たせることもできるが、ギャグでは一話ごとにちゃんと笑えないとなりたたないからだ。
そのギャグ漫画を1時間半ほどの話としてまとめようとすると、得てして「テンポの悪い名場面集」になってしまいがちだ。宣伝ポスターとかの出来が異常によかったことからも、そうなってはいないかと心配していたのだが、杞憂だった。
原作からはキャラクターの特性とヘナチョコなセンス(褒めています)のエッセンスをきちんと抜き出し、起承転結のしっかりした骨組みの上に上手く盛りつけていた。
原作をしっかりと読み込んだ上で、あえてそこから離れているのはお見事。
また、それぞれの俳優がてらいなくキャラクターを演じきっていたのも素晴らしい。ことに社長がダイナマイト。
○スターウォーズ・クローンウォーズ
スターウォーズと言えばかなりCG率が高いとはいえ実写。また、2Dアニメシリーズもあった。なのになぜ3Dアニメで、と思っていたのだが、アソーカ・タノを見て納得した。
少女のパダワン(ジェダイ騎士見習い)で、無鉄砲で猪突猛進、言葉はざっくばらんながらアナキン・スカイウォーカーへの尊敬を抱いている彼女を、他の方法で描くとどうだったろうか。
実写では生臭くて「アナキンの浮気」にしか見えないだろうし、2Dアニメでは萌えキャラ(ツンデレ?)になってしまうだろう。
ストーリーはスターウォーズらしく、ややご都合主義だがきちんとしている。ことに冒頭の惑星クリストフシスでの戦いは戦争映画調で良かった。
とはいえ気になるのはアソーカがたどるであろう運命。エピソード2とエピソード3の間に位置する話であるのに、3では彼女は影すら見せない。なんとも不吉な。
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