時事ドットコム:日本に「肩代わり購入」打診=引き取り困難の戦闘機−英より。
英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は20日までに、英国防省が発注したものの財政難で引き取りが困難になっている戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」の購入を日本を含む諸外国に「肩代わり」してもらう話し合いが行われていると報じた。
英空軍はこれまでに144機を発注したほか、88機の購入を約束しており、キャンセルすると膨大な違約金の支払いに直面する。国防省筋によれば、日本のほか、サウジアラビア、インドなどが関心を示しているという。
F-22は日本に売ってくれそうもないしなあ。まあワシがアメリカでも、こんなふらふらしている国には売らないわ。
タイフーンはちゃんとスーパークルーズもできるし、空対空戦闘ならたぶんF-22の次に強いだろう。安ければお買い得かも知れない。
とはいえ、自衛隊が求めているのは(一応)F-4改の後継となるマルチロールファイター。現行のタイフーンを導入するとなると官僚たちの説得が大変そうだ。
それにしてもイギリス、一部とはいえ自国で生産している戦闘機すら買えない状況なのか?
タイフーンは、トーネードADVとIDS両方の後継機ですから位置付けは堂々たるマルチロールファイターですよ。
ただこの機体は、足がとても短いのです。
おおよそF/A-18E並みかそれ以下。
だいぶ前にも書かせていただきましたが、海や島嶼を抱えているにもかかわらず空中給油能力が不十分な日本にとって、足の短い機体は兵站にまったく不向きです。
F-22を導入できないのであるならば、純然たる費用対効果から計算する限り、現状でのベストのF-4後継機はやはりF-15Eだと考えます。
時点は恐らくラファール。
F-35?まあ目出度く完成してから考えるということで…
>それにしてもイギリス、一部とはいえ自国で生産している戦闘機すら買えない状況なのか?
莫大な金のかかる核戦力維持+軍全体のIT化+同時に二つの海外での戦争+フォークランドやジブラルタルの守備+大型空母の建造+しかも志願制。
逆に、破綻しないのがどうにも不思議だとずっと思っていましたが。
投稿情報: ばべる | 2008-08-24 01:29
>マルチロール
今回売り込み対象となっているのは時期的にトランシェ2だと思われます。
トランシェ1はほとんど純粋な戦闘機で、トランシェ2では限定的に攻撃能力が付加された、とされていたかと思います。本格的な攻撃能力を持つトランシェ3はまだ生産されていないと記憶していたのですが、誤認でしょうか。
>破綻
イギリスはなんとしても航空産業や防衛産業を維持しようとしていたかと思っていました。そのための公金投入かなー、と。
CVFは…あれでポシャらなかったらプロジェクトマネジメント史上に残る大成功だと思います。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2008-08-24 07:13
既にRAFが契約したという144機がT1+T2、
契約する予定「だった」88機がT3です。
とりあえず用兵上の優先順に発注していたことになります。
今回はなにしろ圧倒的な買い手市場ですから、日本(とサウジ、インド)が望むならT1~T3のどんな組み合わせでもイギリスは条件を飲まざるを得ないと思われます。
これがもし全キャンセルということにでもなったら、BAEとその関連企業はタダでは済みそうにありませんね…
投稿情報: ばべる | 2008-08-24 07:48
要撃と制空の方は、とりあえずF-15の改修の手配りが決まったそうです。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080825AT3S2300N24082008.html
投稿情報: ばべる | 2008-08-26 02:32