Great Spangled Weblog「独裁者のここが悪い」より。
私の考えでは、独裁政治の最も悪しき点は反体制派の弾圧・排除ではない。仮にそうなら、弾圧や排除を伴わない独裁は良いことになってしまう。
独裁の悪しき点として第一にあげるべきは、無責任である。独裁のもとでは、国民(市民でも人民でもいい)は被統治者として国(あるいは共同体)がどう行為するかについて責任を持たない。また、責任を負うべき独裁者は責任を負い得ない。独裁者を裁けるのであれば、それは独裁ではないからだ。
主権者として国家のありかたを検討し、その時々の状況に基づいて適切に発言し、行動を選択する。そして、それらの結果について責任を負う。独裁下では、そのようなことはあり得ない。
なお私は、これらを自覚しているか否かが民主と衆愚の違いだと考えている。
ナチズムを挟んだ二人の社会学者の著作
ウェーバー『職業としての政治』
アレント『人間の条件』
がとりあえず現代社会での独裁を考える入門書としてお勧めです。
投稿情報: ばべる | 2008-09-15 19:43