ダグラスD-558はアメリカ海軍およびNACA(後のNASA)が開発した高速実験機。
このころの高速実験機と言えば、水平飛行で初の超音速を実現した、陸軍(こちらもNACAが協力)のベルX-1が有名だ。
アメリカ海軍は3段階の実験を考えており、それにそってD-558-1<スカイストリーク>とD-558-2<スカイロケット>が開発された(D-558-3はX-15のような極超音速機として計画されたらしいが、未成)。
D-558-1は直線翼のターボジェット機で、3機が完成した(他に3機発注されたが、後にキャンセル)。 丸いエアインテイクが機首にあり、やや寸胴気味の機体はどことなるアルゼンチンのI.Ae.33<プルキII>に似ている。D-558-1はマッハ0.85が目標とされ、事実水平飛行でマッハ0.99の亜音速飛行を実現している。また、降下時にはわずかながら音速突破もなしとげた。
続くD-558-2はジェットとロケットを併用する後退翼の超音速機として3機が製造された。ジェットは離陸および上昇時、そして着陸時に用いることとされ、高速飛行時はロケットが主動力となった。なお、ジェットのエアインテイクは機体両脇に備えられていた。
しかし、さらなる記録を実現するため、ジェットエンジンを撤去して純粋なロケット機となり、母機からの空中発進方式が採用された。つまり、やり方としては先行したX-1の真似をしたことになる。
だが、後退翼の力もあってか(X-1は直線翼)、1953年には史上初めてマッハ2を突破した。
ずいぶん回り道をしたようにも見えるが、超音速の黎明期、避けられぬ試行錯誤だったのだろう。
などと考えつつ、今日はTAEBO T3 トランスフォーメーション(エクスプレス)。
わしなんて回り道に回り道を重ねているから、他人のことは言えないな。
コメント