SATIC A300-600ST<ベルーガ>は国際共同開発の輸送機。SATICはアエロスパシアル社とドイツ・エアバス社の合弁で設立した会社で、その主目的は本機の開発・製造だった。
<ベルーガ>はその名のとおりエアバスA300-600をベースとしているが、その姿も用途も独特だ。
胴体上半部には直径7.7mの巨大な貨物室が設置されている。貨物室内部寸法は実に長さ37.7m、幅7.26m、高さ7.4m。容積は1400立方mにもおよぶ。
低く下げられた操縦席の上は巨大なカーゴドアとなっており、先の貨物室からストレートに物資を積み卸しできる。
垂直尾翼は増積され、さらに水平尾翼端にも翼端板が取り付けられている。
このように特異な輸送機が必要とされたのは、エアバス機生産のためだった。
ご存じの通りエアバス社には欧州4カ国が参画しており、それぞれの国に生産拠点がある。総組み立て工場のあるトゥルーズとハンブルグに、各地で生産された部品を運び込まねばならない。そして航空機の部品は大きく、形状も特異で、鉄道などでの輸送は困難だ。
当初はボーイング社の<スーパーグッピー>(サターンロケット空輸用の機)を用いていたが、製造からすでに半世紀。維持・運用にもコストがかかる。
そこで生み出されたのが<ベルーガ>という訳だ。
同様の特殊輸送機としてはボーイング747-400LCF<ドリームリフター>(787部品輸送用)もあるが、<ベルーガ>はなかなかスマートにまとめ上げられている。
などとほざきながら、今日は最終プログラム。
必要なことをきっちりこなし、かつスマートにまとまった<ベルーガ>と比べると、600回もやって<スーパーグッピー>な感じのワシはなんなんだろうねえ。
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