624年、新天地メディナで力を蓄えたムハンマドらイスラム教徒らは、シリアから大規模な隊商がメッカへと向かうとの情報を得た。
ムハンマド率いるメディナの軍勢は、紅海に面するバドルに展開する。メッカ側も大規模な軍勢を送る。
隊商はバドルを迂回してメッカへと向かい、メッカ側の軍はクライシュ族を主体とした約1000名のみとなった。しかし、ムハンマドの兵はおよそ300名。メッカ側は3倍以上の戦力比に勝利を確信し、メディナの軍勢を討伐せんとバドルに向かった。
しかしムハンマドは素早く要衝をおさえ、メッカ軍進撃路の井戸をことごとく埋めてしまった。水を絶たれたメッカ軍は井戸を守るメディナの軍勢に攻撃をしかける。おそらく、その時点ですでにイニシアティブはメディナ側が掌握していただろう。
メッカ軍は緒戦で勇将を失い、動揺する。対するメディナ側の士気は高く(信仰と、おそらくは自分たちをメッカから追い出した者たちへの復讐心ゆえだったろうか)、数での劣勢にもかかわらずメッカの軍勢を打ち破った。
多数の捕虜を得たムハンマドらは身代金を取って彼らを解放する。経済面のみならず、奇跡とも思える勝利は、イスラム教徒らの信仰心と団結力を大いに高めた。
これが、世に言うバドルの戦いである。
軍事的にも、なかなか興味深い。兵力に劣る側がまず敵の交易を妨げようとした。さらに、それが困難と見ると劣勢を逆に活かし、敵を誘引した。続いて敵の補給手段を破壊して相手の戦闘力を低下させた上で、自らが望む戦場での対決を強いる。
優れた指揮と言えるだろう。
などと偉そうにほざきつつ、今日はTAEBO T3 アクセラレーション(エクスプレス)。わしも計画的に、速やかに、決断力を持って行動すれば劣勢だって覆せる…かなあ。
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