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2009-12-26

コメント

ばべる

ハリソン・フォードの映画『K-19』で一躍有名になった「未亡人製造艦」。

ただし、確認されている限りの原子炉周りの大事故の発生率ではSSBNの「ホテル」型の方がいっそう危険なだったようですが、まあ大きな爆弾を抱いて寝るのともっと大きな爆弾を抱いて寝るのとどっちがいい?と聞くような違いで。

><ノヴェンバー>級の存在が西側海軍の行動・戦略を掣肘したことは間違いないだろう。
うーん…一応、例の「エンタープライズ」被追尾事件で西側海軍は「驚愕した」ということになっていますが、実際には体の良い対潜部隊と潜水艦部隊の予算獲得の名分に使われただけのような…(リッコーヴァーとかリッコーヴァーとかリッコーヴァーとか…)

Hi-Low-Mix

>体の良い
アメリカは海軍に限らず、そういった名目作りがうまいような印象があります。単にアメリカの規模が大きいから、そう見えるだけ?

>リッコーヴァー
彼とかキングとか、えらくクセのある人材がアメリカ海軍では活躍していたりしますよね。
かつての上司は彼らをどう評価し、教育していったのか。気になります。

ばべる

>そういった名目作りが
国防総省という巨大な組織が、予算の配分をめぐる弱肉強食の戦場となっていることから、自ずとそういう習性が身につくのでしょう。
海軍だけでも、5つだか6つだかの派閥に分かれていると言われています。

ヴェトナム戦頃の事情を書いたちょっと古い本ですが、キャナンの『スーパーウェポン 恐るべき兵器開発の全貌』がこの件についての日本語で一番良い本だと思います(それにしてもひどい邦題ですねこの本)。

>彼らをどう評価し、教育していったのか
マハン、キング、エリス、リッコヴァーのような型破りの、ないし教祖的な人間の個性が組織の中で潰されない、ということは驚異的です。
彼らの青年士官時代には、ほとんどの場合、理解し、厚く庇護してくれる有力な上司の存在があったことは幸運と言えるのかも知れませんが。

千早正隆さんが書いておられるように、日本海軍の教育は、一流の水準の技術者である尉官を作ることにかけては申し分のない制度でしたが、その上、強い個性とリーダーシップに満ちた指揮官としての佐官から将官を作ることには完全に失敗しました。

自身がその数少ない例外である山本五十六がこぼしていますね。
「君らに聞くと、みんな同じ答えが返ってくる」。

Hi-Low-Mix

アメフトを見ていると、クセの強い選手が目立ちます。やたら際どい(というより無謀な)パスを投げたがるQBとか、タッチダウン後に罰金覚悟で相手チームを苛立たせるRBとか。
そんな選手はヘッドコーチやチームメイトともめて移籍することも多いのですが、そんな彼らをうまく使う(おとなしくさせるのではなく)コーチは、やはり評価されているようなのですね。
プロスポーツの世界と軍隊のような大組織を結びつけるのは難があるとは思いますが、どうも通底するものがあるのではないか、とも感じます。
互いに理解し合うことはなくとも、互いに利益を得る関係を構築するスキル。そういったものを尊ぶ意識が、アメリカ社会にはあるのではないか、と。

ばべる

これはわたしの専攻にちょっと関係してくる話ですが、要するに西洋の軍隊の近代史は中世の勇敢でわがままな騎士たちの「個性を飼い慣らす」過程なのですね。

欧米では、21世紀になっても揃いの軍服の下では「わがままな個性」が生き続けており、それをある程度尊重する文化も残っている…
対して日本では、明治維新の際、西洋で既に出来上がっていた近代的軍隊の「個性を消したように見える結果」だけを性急に輸入せざるを得なかったので、個性を生かす伝統も失われてしまった…

と書くと何やらそれらしげに聞こえますが、もちろん後半は何ひとつ実証のないただの雑談なので決して本気になされないように(笑

末筆になりましたが、新年おめでとうございます。
本年も佳いことがありますように。

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