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2009-12-26

コメント

ばべる

あえて逆を言えば、「自由主義的経済は必ず自由主義的ないし民主主義的政治に行き着く」という見解に何の疑いを持たないのも危険だと思われます。

イギリスのホイッグ主義、アメリカの民主主義の系譜上にあるその考えは、一種のドグマであり、実証的な裏付けはほとんど何もありません。これは、マルクス主義の摂理的な部分とも通じるものです。

例えば、戦後のドイツ史研究に激震を起こした、ブラックボーンとイリーの『現代歴史叙述の神話』を参照。学術書ですが柔らか目で、良訳です。

・民主主義は座して得られない。維持と発展には大きな努力が必要。
・隣人も同様。彼らが自ずから民主主義に移行するとは限らない。
・ゆえに、隣人に民主主義を「押し付ける」には、大きな犠牲と出費を払う覚悟がいる。
・その長期的なバランスシートの上に、外交は成立する。

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地域間の経済格差、経営効率より人脈や党利党略が優先されるという不合理。さまざまな経済活動を通じて諸外国の情報に触れる人々が増えていけば、疑問を感じる機会も増えるでしょう。
それを蓄積させたあげく暴力的な闘争や混乱に陥るよりは、段階的にでも民主化・法治の徹底を図っていったほうが彼らの国にとってプラスになりそうに思えるのです。
もっとも「あれほどの規模の国ではそのような方策はむしろ逆効果」ということもあるのでしょうが。

ばべる

>段階的にでも民主化
人為的にこれを実現するのは恐らく至難の業でしょう。

民主政治は、権利と義務の両輪があって初めて成り立つシステムです。
建前の上ですら、義務=政治への参与という概念自体が皆無である今の中国の大多数の民衆の「民主化」にもし失敗すれば、無制限の権利の噴出、というボダンやホッブズが警告した通りの混沌の地獄が出現しかねません。

例えば、現在の強権による一人っ子政策が完全に破綻を来たした場合、ユーラシア大陸はどういうことになるでしょうか?

Hi-Low-Mix

例示だけに反応するのも問題がありますが、集約型の労働が幅をきかせることが理解されるなら、自然と少子化が進むのではないかとも思われます。
現時点の内陸部でどれほどその辺りが理解されているかはわかりませんが。

ばべる

>集約型の労働が幅をきかせることが理解されるなら、自然と少子化が進むのではないかとも思われます。
西欧や日本のような「成熟した社会」では、自ずと少子高齢化に向かうことになります。中国やインドもいずれは「成熟した」社会になるでしょうが、果たしてそれを達成するまでにインフラと国力が人口爆発を凌ぎ続けられるのか?

バングラデシュは、もし多額の投資によって開発すれば莫大な食料をもたらすだろうアジア最大の豊かなデルタ地帯を抱えながら、そのデルタの氾濫に苛まれ、喘ぎながら1億5千万の人口が暮らしています。
ナイジェリアも、大きな化石燃料資源の上で、貧困と内戦が止めどなく続いています。

そしてこの両国は、制度の上では堂々たる「民主主義」政体なのです。

>彼らの国にとってプラスになりそうに思えるのです。
それがアメリカの考え方ですね。
それを決めるのは結局のところ、彼らです。

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