KC-767はボーイング社が開発した空中給油機。イタリア空軍が4機発注(未受領)、航空自衛隊が4機を導入している。
ベースとなっているのはベストセラー旅客機ボーイング767だ。当然のようにアメリカ空軍への提案もなされた。当初リース契約で提案されたが、議会と会計監査院からけちがつけられる。
エアバスとノースロップ・グラマンが提案するA330MRTTと競争入札となり、国防総省はA330MRTTをKC-45として採用した。
しかしここでボーイングは会計監査院に異議を申し立てる。しかも会計監査院はそれを受け入れ、再選定を指示した。いったん入札・採用がなされたのに競合他社の異議でひっくり返されたことであきれたのか、ノースロップ・グラマンは入札見送りを発表した。
という訳で米空軍でもKC-767採用、ばんざーい…のはずなのだがどうもまだはっきりしていないらしい。ボーイング社地元のワシントン州と、KC-45を生産するはずだったアラバマ州の議員がそれぞれ精力的に動いていたそうで、まだ紆余曲折があるかもしれない。なにせ雇用状況の良くない昨今だから、いずこも票を獲るには雇用確保が必須なのだろう。
A330MRTTにしても、英軍は欧州の共同企業体に所有・維持させて優先使用権だけを得るという妙な形で採用するらしい。フランスも相乗りを希望しているというから、どんな運用になるのか見当もつかない。
どうも空中給油機の必要性はいずこも感じてはいるけど、他に優先しなきゃいかん問題がいっぱいということのようだ。
急いで新鋭空中給油機を欲しがったのは、経空脅威がますます強まるばかりの日本ぐらいだったのかもしれない。
などと憶測ばかりでぐだぐだこきつつ、今日はエリートのミッション1。手詰まりの時ほどやたら小賢しい手を考えるもんだね、ほんと。
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