826年はアラビアの天文学者・数学者、サービト・イブン=クッラの生年。シリア北部(現在ではトルコにあたる)のハッラーンに生まれた彼は後にバグダッドにて学び、アッバース朝カリフの庇護を受けた。
母語のシリア語に加えギリシア語に堪能だった彼は、アルキメデスやユークリッド、プトレマイオスらの著作を翻訳している。
興味深いことに、彼は星辰を崇拝する「サービア教徒」だった。ハッラーンには紀元前から月神を崇める神殿があったと記録されており、驚くべきことにサービトの時代にも星辰信仰を保っていた。
ハッラーンの特異な信仰を知ったアッバース朝は、住民らに啓典への信仰に改めるよう命じた。住民の大半はイスラームやキリスト教に改宗したが、一部は自らを「サービア教徒」と名乗り、信仰を続けた。サービア教はコーランにも記述があるにも関わらずその実体が不明瞭であったため、その名を偽ったらしい。
まったく異質の信仰を持ったサービトがイスラーム世界で重用されていたというのはなかなかに面白い。
などと上から目線でのたまいつつ、今日はエリートのミッション1。
そういった鷹揚さを得るためにも、まずは自分を鍛え、自信をつけないとな…わしの場合。
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