964年はベネディクトゥス5世がローマ教皇に選出され、かつ降格させられた年。
先のローマ教皇ヨハネス12世の急死を受け、ローマ市民が助祭だった彼を選出した、とされている。いくらローマ教会が混乱した時期であったとしても、司祭ですらなかった彼がローマ教皇というのはさすがに不自然と思われる。
当時もそう考えられたようで、神聖ローマ帝国の皇帝オットー1世はこの選出を承認しなかった。一説には、ベネディクトゥス5世自身も降格に同意したと言う。
彼は再び助祭へと降格され、新たな教皇となったレオ8世は彼からパリウム(帯状の肩覆い)をはぎ取り、奪い取った司牧杖をへし折ったと伝えられている。
こんなではクリスチャンたちがどん引きするのも当然で、以来、ローマ教会、そして教皇の権威は地に落ちたとされる。
市民も皇帝も教皇も無茶すんなー、などと思いつつ、今日はエリートのミッション1。
上に立つ者が横車を押してはいかんよなあ、ほんと。
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