973年はアブー・ライハーン・アル・ビールーニーの生年。アラル海南岸のカース(現在のウズベキスタン領内)郊外の出身だった。
イラン(ペルシャ)、中央アジアなど各地で学び、先にご紹介したマフムードの元でガズナ朝が栄えるとそこに使えた。
マフムードのインド遠征にも同行し、その地の民俗や歴史、言語などをまとめた「インド誌」を編纂する。
その知は極めて多面的で、薬学全集や鉱物事典など多くの分野で著作を残している。
ことに知られるのは1030年に完成させた「マスウード宝典」で、地球の自転について述べ、計算から地球の半径を推測した。その値は6,339.6kmで、現在の計測値6,378km に極めて近い。
中央アジアというと欧州や中近東、中華圏といった文明の中心から離れた土地というイメージもあるが、イスラーム圏の一部としてさまざまな知識、学問が伝搬していたことがうかがえる。
自分の卑小なイメージで世界を見ていてはだめだなあ、などと思いつつ今日はTAEBO 1。まあ、自分自身は卑小としか言いようがないんですけど。