世の中には「他では代替できない」ものがいくつもある。スーパーカブやM2重機関銃、Windowsもそうだろう(きもいマカーといえども、世界を目にすることだってある)。ロッキード・マーチンC-130<ハーキュリーズ>も、それらの中の一つだろう。
<ハーキュリーズ>は米軍初のターボプロップ輸送機として生まれた。太い胴体に高翼型式で、広く障害物のない収容スペースを確保。バルジに短い脚を収めて、地上姿勢を低くする。また、機体後部にランプを設けて荷役を容易にする。これらの巧みな設計が、<ハーキュリーズ>を輸送機の標準とした。
米軍は<ハーキュリーズ>を重用し、蓄えられた実績が世界60カ国以上にこれを採用せしめる。50年代に開発されたにもかかわらず今日も活躍しており、さらに発展型C-130J<ハーキュリーズ2>までが生産されている。
対抗馬はいるし、その中にはより優れた面を有するものもある。だが、「標準」となったという事実が世界に<ハーキュリーズ>を選択させる。
アナログな世界の話だが、これもまた「イノベイション」だったのだろう、と素人の私は思う。
いっぽうこっちはC-130X計画よろしく、なんとかへたった身体をアップデイトしようと腹筋プログラム。多少アップデイトしても、スタイルは<ハーキュリーズ>みたいに十年一日でなかなか変わらないね。