SdKfz164<ナースホルン>は第二次大戦中のドイツ軍対戦車自走砲。初期は<ホルニッセ>と呼ばれていた。
車体はいわゆる3/4号戦車車台。4号戦車の車台を延長し、起動輪には3号戦車のそれを転用している。オープントップに仕立てられたその車台に搭載された主砲はPaK43/1。8.8cm(71口径)のそれは、<ケーニヒスティーガー>や<ヤクトパンター>、<エレファント>の主武装とほぼ同一だ。おそらく第二次大戦中最強の対戦車砲と言ってよい。
だが、それを収める戦闘室の装甲は不釣り合いなほど薄い。ましてオープントップだ。先に述べた<ケーニヒスティーガー>らとはまったく比較にならないほど脆弱である。よほど適切に配置し、射撃後は素早く機動せねば、反撃であっという間に叩き伏せられるだろう。また、イタリアや西部戦線ではヤーボの空襲に悩まされたに違いない。
<ナースホルン>の存在は、守勢に陥ったドイツの苦悩を象徴しているかのようだ。4号以下の戦車では対抗できぬ強敵に攻め込まれ、しかも<ケーニヒスティーガー>ら最強戦車はあまりにもリソースを食い過ぎる。そのような中での苦肉の策が、<ナースホルン>だったのだろう。
戦争というおろかな決断の結果生まれた、鋭くかつあまりに脆い刃。あわれで、それでいながら美しい。
とまあ、ブンドル様みたいなことをコキながら今日は最終プログラム(ビリーバンド使用)。9月24日のイベントはビリーバンド不使用らしいが、その分きつい動きが連続するに違いないのう、うーむ。
いくらソ連軍の戦法に色々な不手際があったとしても、ナスホルンの対戦車エースの存在はどうしても信じがたい驚異です。
一方、資材に不足のないアメリカ軍の駆逐戦車が長らくオープントップだったのは、例によって造兵と現場との意思疎通が欠けていたからだと言われていますが…
投稿情報: ばべる | 2007-09-01 14:23
新谷かおるセンセとか好きそうな気がするんですが、出てきたのを見た記憶がないっす。
単に私が知らないだけですかね。
投稿情報: Hi-Low-Mix | 2007-09-01 20:35
新谷先生の戦争マンガは『グルマン特急便』『戦闘親衛隊』くらいしか読んでないのでわかりません…orz
まあマンガ的な奇策や幸運で1回の戦闘を切り抜けることはできても、被撃破率のサイコロの目をかいくぐって何回、何十回もオープントップの自走砲で戦って生き残って来られたというのがとんでもない話で(車体はやられて人間だけ逃げられた、という例ももちろん少なくないでしょうが)。
あの鈍重な機体で、本人は満身創痍になりながらも終戦まで生き残ったルーデル他のエースたちにも言えることですが。
投稿情報: ばべる | 2007-09-02 16:01