攻撃ヘリの代わりにターボプロップの軽攻撃機、という選択。その2より。
この種のターボプロップ攻撃機は攻撃ヘリよりも遙かに高速です。それ故ヘリより進出速度が高い。速度が速いということは地上からの対空攻撃に捕捉されにくい、つまりは生存性が高いということです。
今日、歩兵でも携帯可能な小型対空ミサイルが長足の進歩を遂げ、広く普及しています。そりゃAKやRPGほど入手しやすい訳じゃないでしょうが、小型なのでその流通を抑制するのは困難でしょう。
航空自衛隊のC-130(ターボプロップですね)もイラク派遣にあたっては、この種のミサイルによる攻撃を受けた際にそなえた訓練を実施していたかと思います。また、離着陸にあたってはフレアの散布を実施しているとの記事も見た記憶があります。
敵地上空を飛ぶ軽攻撃機の場合、イラクに派遣されたC-130以上の危険にさらされると考えるのが自然ではないかと思われます。まして、本土周辺の島嶼防衛に用いるのであれば、敵はゲリラ以上に優れた装備を持つ正規軍(たぶん特殊部隊)でしょう。地対空ミサイルを携帯していないと考えるのは危険かと思われます。
対地攻撃ヘリの利点として、遮蔽物を利用して姿を隠せるという点があげられます。歩兵が携帯するような小型の地対空ミサイルならたいてい赤外線追尾式でしょうから、遮蔽物をうまく使えば十分かわせるかと思われます。ヘルファイアのような撃ちっぱなし式のミサイルと組み合わせれば、生残性はかなり高まります。
ただ、島嶼だと遮蔽物をあまり期待できない状況もあるでしょう。しかしそのように限られた場合は、支援戦闘機なりなんなりに出張ってもらえば済むのではないでしょうか。
また、貴重な乗員を危険にさらさないことを重視するのであれば、COIN機よりも、対地攻撃可能なUAV(プレデターとか)を検討したほうが良いのではないでしょうか。
たしかに武装ヘリを過度に重視して無駄遣いをするのはよくありませんが、新たにターボプロップのCOIN機を導入するほうが効率的、とは私には思えません。